違いのわからないリサイクルゴールドブレンド

しつこく【似ている歌シリーズ】

『悲しみがとまらない』(杏里) ♪あなたに彼女 会わせたことを わたし今も…
『今宵の月のように』(エレファントカシマシ) ♪夕暮れ過ぎて きらめく町の灯りは…

 結局ネスレのインスタントコーヒーの再利用の件は、全然問題にならなかったようですな。
 概要は、ネスレが実はこれまでずっと(1960年代から)、瓶に詰めたが出荷されずに倉庫に残ったインスタントコーヒーの中身を、再び生産ラインに戻して新品に混ぜていたという話。5月5日付の朝日の記事で読んだ。ネスレ幹部へのインタビューも載っていたが、「どうしてこんなことをしたのか」とあたかも犯罪者に問い正すような朝日と、全く問題ないと確信しているネスレの立場は完全に平行線だった。
 これを読んだとき、再利用についてはネスレの言い分が正しいと思った。ラーメン屋が客の残したラーメンを次の客に出すのとはわけが違うのだ。未開封の製品、しかもフリーズドライ製品だから腐るわけでもない。事実、再利用コーヒーは30年以上も消費者の舌を満足させてきた。リサイクルだ省資源だと声高に言われているけど、人の口に入るものについてはまだ、科学的な理由もなくイメージだけでリサイクルを否定的に見る立場があるようだ。
 記事ではむしろ自分の正義をふりかざす朝日の嫌な面が目立っただけであった。前後の読売・毎日を見てみたが、この件に関する記事は見当たらなかった。

 とりあえず気になるのは、他のインスタントコーヒーメーカーではどうなのかということ。そこでAGFのサイトに行ったら、件の報道を受けた説明文が載っていて、2001年1月から再利用を中止したという。それまではAGFでも再利用していたということだ! そしてやはり、本当は再利用したいんだけれどもイメージ上しかたなく中止を決めた、という事情のようだ。朝日の記事ではネスレのみが問題にされていたから、おそらくネスレのコーヒーの売り上げには影響が出たがAGFはほぼ無傷だったと思う。こうなると特定企業への特定新聞によるイジメだな。

 この間の牛肉ラベル偽装事件は、たしか朝日が最初に雪印の行為を指差して「あーっ、いけないんだ!」と声を上げた。この時はみんな虚を突かれて、瞬く間に「♪いーけないんだ、いけないんだ」の大合唱になった。しかし今回のネスレのように「あーっ、いけないんだ!」と声を上げたのに「なんで?」「いいじゃん、別に」と誰からも賛同を得られない、というケースも朝日には結構多い。