イタリアぼったくり

 ローマの有名レストランで「ぼったくり」被害に遭った日本人カップルに対し、イタリアのブランビラ観光相は税金ではなく、民間企業の協賛による無料招待をあらためて表明した。ただ被害者は「日本で食事でもご一緒できれば」と、やんわりと断った。[朝日新聞]

 フランスでも、ホテルが宿泊客に、飲んでもいないシャンパンの代金を請求してくるという話があった(藤原正彦氏談)。私もローマの空港で悪徳タクシーに遭った苦い経験があるし、フランスの業者の仕事ぶりにはうんざりしている。ラテン系はまったくいいかげんだよ! だから記事中の被害者の方が伊観光相の申し出を断ったことには内心拍手を送った。
 観光相からの再招待の申し出がじつにイタリアらしいと思った。1組の被害者を招待するだけでローマのイメージダウンを糊塗できると思っている楽観が。そこには、日本人は優しいから相手の善意を無下には断れないだろう、という計算も働いていたに違いない。この再招待の話を読んだ時、ほとんど脅迫に近いものを感じた。ただ観光相は「日本人はそこまで暇ではない」というもう一つの日本人の性質は計算していなかったと見える。
 観光相には、レストランのみならず、空港の悪徳タクシー、町で観光客を襲うごろつきどもを一掃するくらい頑張っていただきたい。