掲載決定

 投稿論文が受理された。最初の雑誌への投稿以来8ヶ月半、長い道のりだった。受理通知メールを共著者に転送する際、普通なら「I am pleased to inform you that ...」などと形式ばって書くのだけど、今回は一言「We did it !!」とだけ書き添えて送った。そんな気分だった。でも後で見たら受理通知と間違えて改稿原稿到着通知メールを転送してしまっていた。気が動転していたのだなあ。

 自分が当地で同僚らと行なった仕事としては、初の出版になる。かねてからプレッシャーを感じていた。例えは悪いが、早く子を作れと舅姑からプレッシャーをかけられていた嫁がようやく赤ちゃんを授かった時のような気分。

 掲載が決まった雑誌は Journal of Applied Physics。此処には自分は何度か論文を載せてもらっていて、ある程度慣れている。1つの論文につく査読者が1名だけなのも、載りやすい理由の1つなのは確かだ。2名つく雑誌では、どちらか1名が厳しい判定をしたらそちらを採用されてしまうし、どちらか1名でもトンズラしたら判定が遅れることになるから、投稿者としては敬遠したくなる。そのかわり掲載論文の質は高く保たれるはずだから、編集側はできれば2名つけたいと思っているだろう。
 とはいえ、不思議な事に査読者1名の J. Appl. Phys. や Appl. Phys. Lett. のインパクトファクターはそこそこ高い。少数の傑出した論文が平均被引用回数を押し上げているのか。そう考えると、雑誌の特性を表すには「全論文の平均被引用回数(インパクトファクター)」だけでなく「論文間の被引用回数のばらつき」も有用な情報を含む指標なのではないかと思えてくる。