小チャンバー計画

 メインチャンバーのターボポンプが6月半ばに故障し、新ポンプが納品されるまで使えなくなったので、その休止期間を利用して、もともとメインチャンバーの試料導入用である小チャンバー+小ターボポンプを切り離して本筋の研究と別の物質の製膜に使おうという計画。
 小チャンバーはいわば大きめの白菜くらいのサイズで、使える 70Φ のポートは5個のみ。試料ホルダー、レーザー入射窓、ターゲット回転機構、圧力計に各1個必要なので、残りの1個でシャッター回転機構とガス導入とリークバルブと in-situ ターゲット交換機構をまかなうというアクロバティックなデザインにせざるを得なかった。そのターゲット交換機構を昨日から工作していて、今日は実際にターゲットの受け渡しにトライしつつ部品形状を調整した。かなり苦労したけれども、なんとか真空を破らずにターゲットを切り替えて2層膜を作れるメドが立った。
 白菜程度のミニミニチャンバーで、しかも手作りの部品だけで2層膜を作るってかなり無謀だ。不可能を可能にしたような達成感がある。しかし自分以外の人の利用には適さないだろう、もし市販したら顧客から「使いにくい」と文句が出るのは確か。