素朴な疑問について

 素朴な疑問を口にして相手から罵倒された経験が何度かあり、そのたびに「何が悪い」と内心憤慨していたけれど、「素朴な疑問を抱くのが恥ずかしいのではない。その答えを自分で探す努力をしないまま口にするのが恥ずかしいのだ」と今になって思い当たる。
 経験上、人と会話する時には疑問文を多く混ぜたほうが話が長続きするので、話題が途切れないようについ安直な疑問でも発言してしまうのだ。
 これと対照的な人物が同僚にいる。彼が喋るのは肯定文・否定文ばかりで疑問文が非常に少ない。「自分は何でも知っている」と信じているタイプ。しかも話題が途切れず、いくらでも喋り続けられる。丸ごと彼のようになりたいとは思わないけれども、「疑問を疑問のままにしておかない」のは1つの見習うべき能力だな。