政権交代

 恥ずかしながら今回、衆院選の投票をしなかった。在外選挙というフランスにいても投票できるシステムを知らなかったし、日本にいた時と違ってハガキが来る訳でもないし。もちろん「僕は投票できるのかな?」という疑問すら持たなかった自分に原因がある。もう日本の政治を外野から見物するような心境になってしまった。でも今日だけはネットのニュースで結果に注目していた。

 民主党がこれほどの大勝利を収めるとは、自分は1ヶ月前の時点では全く予想していなかったな。今日の結果は首相が漢字を読めないとか大臣が酔っぱらって記者会見したというような低次元な原因ではなく、前回の参院選の時に兆候の見え始めた地殻変動が今回ここまで大きくなったということだろう。オバマ氏が大統領選に勝ったことも日本の有権者に「自分たちも変われる!」的な意識をある程度は与えたかも。「日本はアメリカ+自民党に支配されている」という閉塞感が打破されつつあるとしたら喜ばしい。

 二大政党制が理想的だと思う。政権交代を揺り戻しと呼ぶなら、今後、揺り戻しはあるだろう。問題はそれが1年後なのか、50 年後なのかだ。米国の例を見るに、二大政党制が機能していれば、揺り戻し周期は長くとも 10 年程度になると思う。揺り戻しが繰り返されればねじれ国会も頻繁に出現するだろうけど、そんな時も議事をきちんと進めるよう議員たちのスキルは向上していくはず(と期待したい)。逆に民主党が強大になりすぎて今までの自民党みたいに腐敗したりしないよう祈る。

 余談:テレビ(FR2)の 20 時のニュースでは、後半に2分ほど割いて日本の選挙戦のことを報道していた。ふつう h を発音しないフランス人の特派員がちゃんと「ハトヤマ」と発音していた。えらい。