睡眠のリズム

 5時間寝た時よりも、4時間しか寝なかった時のほうがスッキリ目が覚める。休日には10時間とか13時間といった惰眠をむさぼることもあるが、9時間とか11時間寝た後に起き出すことは少ない気がする。スッキリ目覚めるための睡眠時間には規則性がある。わたくしの場合は 3n+1 時間(n:0以上の整数)寝ると目覚めがいいようだ、という結論に達したのが学生の頃。

 後で知ったのだが、人の睡眠には浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠があり、眠り始めてから1時間半後、3時間後、4時間半後…というように約90分周期でレム睡眠がやってくるんだそうな。レム睡眠の時に起きると目覚めがいいというわけ。私の 3n+1 時間という法則と比べると「3n」のところはまあ矛盾しないが「1」だけずれているのがちょっと気になっていた。
 で最近思い当たったんだけど、眠り始めてから90分ごとにきれいな周期の睡眠リズムを描くのは、完全な覚醒状態から眠り始める場合でしょう。風呂に入って、歯を磨いて、パジャマに着替えて、電気を消して、布団に入ってさあ寝よう、というふうな、健康な生活を送っている人にとってはごく普通の寝方をしていれば、本来の周期で最初のレム睡眠がやってくる。だが私のように、本を読んでいたら眠くてどうしようもなくなったのでそのまま布団に潜り込み、電灯を消すのも忘れて寝入るという寝方をしていると、しょっぱなから深い眠りに入ってしまって上記の睡眠リズムにずれが生じるのではないか。我ながら、なんで普通の寝方ができないんだろうと思う。たぶん起きている間の過ごし方が不完全燃焼気味なので、やり残したことがあるような気がしていさぎよく寝る準備をしたくないんだろうな。

 ということを書いてみたのは、1日6時間から7時間寝る人がもっとも死亡率が低いという記事を新聞で読んだから。アメリカの研究グループが110万人の人を6年間追跡調査した結果だ。8時間寝る人は、6〜7時間の人に比べて死亡率が1割ほど高かった。つまり長く眠るほど健康にいいわけではないという結論。なぜそうなるかの理由はわからないとのこと。年齢などの要因も考慮しているらしいから、8時間寝る人に爺婆が多かったから大勢死んだというようなことではない。単純に考えるに、8時間という睡眠時間は自然な睡眠リズムに反した寝方であって、そういう人はえてして深いノンレム睡眠にいる時に起きなければならなかったりしてストレスがたまるのではないか。
 眠りの深さを各家庭で簡単に計れる装置があればいいなぁ。目覚ましアラームと連動していて、何度目かのレム睡眠を認識したら起こすようにする。さわやかに一日を始められ、寿命も延びる。三大欲求の一つであるくらいだから我々は睡眠にはもっとこだわりを持ってもいいと思うがどうだろう。(じゃあまずパジャマに着替えて寝ることから始めろ>オレ)