死に体政権

 稲田氏の「自衛隊としてお願い」発言は今村氏の「東北でよかった」よりも世間で騒がれている感じだけど、安倍氏と近しいだけあって今回は「更迭だな」と即決されることはないようだ。そのことが更に国民の不信感を招く。政権交代以来、絶対に己の非を認めない頑強さが安倍政権の支持される理由の1つだったが、いまや政権は開き直れば開き直るほど支持を失うネガティヴスパイラルに陥った。

 最近の政権支持率は 2012 年以後例がないほどの調子で落ちこみ、豊田議員の恫喝が報道された先週の時点で、ついに不支持率と並んだと(いま調査したらさらに落ちているだろう)。ここにきて支持が急落しているのは、べつに閣僚や与党議員が最近とみに劣化してきたわけではなく(劣悪なのは前からだ)、やはりマスメディアが政権に不都合な真実を臆せずに報じ始めたからだと思う。森友のあたりから。報道のバランスが少し揺れただけで、風向きが明らかに変わった。これまでだって TV・主要新聞の報道さえ健全に行われていれば、こんなコケオドシな政権が長続きするわけがないと思っていた。
 先月日本にいた時、今回の都議選では自民党は本当に苦しいという声が周囲から聴こえて来たが、それ以後も状況は厳しくなる一方。
 そんなわけで安倍政権にようやく終わりが見えて来たのかも。

 といっても「謝れない病」の安倍氏が「諸々の責任を取って」首相を辞任するとはやはり考えにくい。最後は ①体調が原因で辞任する ②総裁選で破れる ③衆院選で破れる、のどれかになると思われる。②③だと現状では来年まで待たねばならないので、①の(少なくとも表向きは)体調を崩して早急に逃げ出す展開になれば、日本のためには一番害が少なくてすむだろう。