日常 (1/6 - 1/31)

1/6 (金) 晴
 朝 6:41 の TGV でトゥールに帰還。アパートに戻り、すぐ出勤。共同研究先から送られてきた学会予稿原稿をチェック。出張関係書類を準備。LAN ケーブルを忘れたので昼に一度帰宅し、ついでに郵便を発送。論文Bの修正原稿が共著者Fから送られてきたので見る。夕食はパスタ屋で。夜、同僚Aの送別会が Bar Campus であるということで、大学に戻って飲み会の行われそうな場所を探したけど見つからず、よく考えたらこれウチの近所の飲み屋だと気付いて引き返し大幅に遅れて到着。適当に飲んでAに「元気で」と言って帰る。

 TGV の乗車券、出発直前に駅の券売機で買ったら、2等席が 29 ユーロ、1等席もなんと 31 ユーロという安さだった。昨夜 SNCF のウェブサイトでは1等は 60 ユーロ以上したのに。出発が近づくほど値段が上がるものだと認識していたが、空席がある場合は逆に直前には安くなるのか。たった2ユーロの差ならと、この機会に1等に乗ってみた。なるほど快適だ。

1/7 (土) 晴、-5〜4℃
 元同居人が出張ついでに遊びにくる。会うのは6年ぶりだが見かけは変わっていない(先方もそう言ってくれた)。部屋でおしゃべりした後、散歩に出てブラッスリーでビール2杯飲んで、Le Chope で夕食。彼は仕事でしっかりした立ち位置を確保して頑張っている。自分も世間から取り残されないようにしなければ。

1/8 (日) 0〜6℃
 外出せず。旅の疲れを癒すことに専念。

1/9 (月)
 論文C改稿作業。退勤・帰宅後、洗濯。

1/10 (火)
 論文C改稿作業。

1/11 (水) 曇/小雨
 論文Cの第2稿を仕上げて共著者に送信。送ってから、直前に共著者先生から検討中の問題があるとのメールを受けていたのを発見。ともかくボールは相手方に渡ったことには変わりない。次いで論文Bの改稿。共著者Rからの修正を反映させ、次いで共著者Fのコメントに対応。

 元同居人がくれた『聖女の救済』(東野圭吾)を4日で読了。小説というものを読んだのはなんと2年半ぶり。ミステリーとなると思い出せないくらいご無沙汰だ。めっぽう面白かった。謎解きの論理も好奇心をかきたてるが、それに伴う登場人物の協調や対立や心の動きが僕を惹き付ける。クールで理知的な女性刑事の内海さんが見ていて清々しい。尾頭さんを見ているようだ。Wiki で調べたら、TV ドラマ版では人物設定や話の流れが大幅に変更されていると。これは原作読者でもドラマを見なければという気になるな。

1/12 (木) 曇/小雨
 論文Bの改稿続き。夕方に共著者に発送。
 まだ時差ボケが解消せず。22 時頃に電気をつけたまま寝て、夜中の 2 ~ 3 時頃にいったん目が覚めて、明け方まで寝たり起きたりという生活。

1/13 (金) 雨一時雪→晴、2〜7℃
 来週提出するレポートを書くために少しでも実験を進めたいと思って、そのための段取りを考へる。KKS に移動して古い試料の SEM 観察。そこの食堂で夕食するつもりが、なぜか閉まっていたので帰って米を炊いて食す。

1/14 (土) 晴
 中央図書館へ。2冊借りる。Petite Arche に買い出し。

1/15 (日) 
 昼から職場へ。調べもの。
 『ねほりんぱほりん』の動画にハマっている。フリートークにあとから人形の動きを合わせるのは良いアイデアトークの雰囲気は往年の TOKYO-FM『DEEPER STREET 木曜日』のコーナー「顔出し NG ショー」に似ている(あちらはイイ話で終わることはほとんどなかったけど)。

1/16 (月) 1〜5℃
 週末のレポートのために急いでターゲットを1個作る。粉末は既成品を使い、プレスして焼成開始まで。共著論文Gの原稿のチェック。

1/17 (火) 晴、-2〜3℃、寒波がやってきた
 朝、KKS にて参加しているプロジェクトFの会合。全体ミーティングの予定だったが参加者2名が急遽欠席となり、集まれる3名のみで限定的な議題について話し合う。午後、職場に移動してターゲット取り出し。満足な出来ではないが、暫定的に使えないこともない。共著論文Gの原稿のチェック続き。

1/18 (水) 快晴、-3〜0℃
 光学系のアライメントして、2ヶ月ぶりの製膜2回。光路に思わぬ問題が発生していたが、ちょうどいい金属板片を見つけて取り付けて事なきを得た。合間に共著論文Gの原稿のチェック。深夜に仕上げて共著者に送信。

1/19 (木) 快晴、-5〜1℃
 職場の新年昼食会。例年クリスマスにやっているが今回は例外的に1月に行われた。メインディッシュに「ラクレット」を作るためジャガイモを大量に買う。大量に残る。しばらく毎日、昼と夜はイモにせざるを得ないな。夕方から KKS に移動して XRD 測定。久々の実験はまあまあ上手く行った。

1/20 (金) 快晴、-7〜2℃
 KKS で XRD の続き。お昼を食べて職場へ移動。今日締切りの書類を書いて送信。プレッシャーのかかっていた仕事が終わったので緊張が解けた。帰途にマンガ(『プリニウス』(1) の仏語版と、雑誌『GROOM』3号)を買う。とりマリさんがアングレーム漫画祭に来ると聞いた後に書店で本作を見かけて、心が動いた。

1/21 (土) 快晴、-8〜5℃
 ビームマンガ実況第4回。新井英樹回。新井氏本人はジャッキー・チェン似のヤサオトコだった。ネットで昔の写真を見たら山下清みたいな感じで「同一人物?」と驚いた。ボクサーがやるメニューに従って減量したとのこと。本人もゲスト2名(二村ヒトシ町山智浩)も喋りのテンションが高く、盛り上がった。彼のビーム連載作品を僕は追っていなかったが、本人を見て読む気になった。通常と逆パターン。
 Petite Arche に買い出し。ジャガイモを消費するため、夕食はアルザス風煮込み(ザワークラウトでなく普通のキャベツを使ったけど)。

1/22 (日) 快晴
 ほとんど外出せず。
 『SCATTER』(新井英樹)ほぼ8巻分を一気に通読。すごいマンガだ。誰かも書いていたけど、冒頭部だけ読むと取っ付きにくく、先に進む気が起こらなかった。しかし一たび読み進めるとハマってしまう。各キャラの人生の練り上げ方が重厚なところが好き。村上龍の小説を思わせる。

 『ど根性ガエルの娘』(大月悠祐子)第 15 話が話題になっているので読む。第1話で敷かれていた物語のレールをひっくり返す展開。連載開始後に実際の登場人物の身に大変化が起きたことが明らかにされた。作者は現実の深刻な事態に揺さぶられながら、半年ほどは大変化以前のレールに沿った話を淡々とを続けていたのか…としみじみしたり、今現在の状況が非常に気になったり。本作もかつて冒頭だけ読んで、可愛い絵柄とダークな内容のミスマッチに拒否反応を生じ、しばらく遠ざかっていた。でも今日は受け入れられた。『ねほりんぱほりん』を観たせいかも。『SCATTER』とこれを立て続けに読んだせいで心がどんよりしている。

1/23 (月) 快晴、-4〜6℃
 論文Bの仕上げ。投稿しようとしている論文誌で定められているので、パワポで作った図を eps 形式にする方法を調べる。ネットに出ている ps2eps なるアプリはどうも使い方がわからない。結局、DeltaGraph にコピペした図を eps 形式で出力できることを発見して解決。ありがとう DeltaGraph。

1/24 (火) 曇、-7〜2℃
 実験室のガスセンサーカートリッジの交換、グローブボックスの Ar ボトル交換。センサーはなぜか交換後も状況が改善せず。論文B用カバーレター用意。インクジェットプリンタの青色が出ない件、いろいろ試すも改善せず。クリーニングを繰り返すうちに、交換したばかりの赤と青のカートリッジがもう空になったとの表示が。そんなバカなと思うがコンピュータがそう言うのだから逆らえない。市中心部の事務用品店で正規のカートリッジパックを買う。

1/25 (水) 快晴
 論文Bを最終修正。同僚Jのアドバイスで、重要な単語をいくつか変更。自分でもモヤモヤしていた用法だった。変えてクリアになった。

1/26 (木) 快晴
 論文Bを仕上げて投稿。つい気が大きくなって、今まで投稿した中で一番高い IF 値をもつ雑誌を選んだ。まあ経験だ。エアガン配管。書類用原稿読み。

1/27 (金) 快晴、-1〜10℃
 エアガンを掛ける金具を工作。製膜1回。共著論文Gの原稿チェック。夕方から KKS へ赴いてプチ製膜1回。夕食もそこで摂る。

1/28 (土) 晴/曇/小雨、3〜11℃
 ダラダラと家事。夕方 Petite Arche に買い出し。
 France2 の "Le plus grand cabaret du monde" に珍しく日本人パフォーマーが2組も登場していた。なぜか2番目のほうは韓国と紹介されていた。複雑な事情があるのかも。

1/29 (日) 晴/曇、3〜12℃
 早朝に目が覚め、その後二度寝して昼頃まで布団でのらくらと。午後、2Lions のマクドで共著論文Gのチェック続き。マクドの中の Mac café コーナーは日曜に営業している数少ないカフェとして利用価値がある。終了後しばし職場に寄って帰る。

1/30 (月) 小雨、8〜13℃、暖かい
 共著論文Gの改稿原稿を著者に送る。作業中、大至急のタスクが舞い込む。1/20 に提出した書類に不足があったのだ。内心パニックになりつつ3時間ほどかけて1ページ半の書類を書いて送る。夕方、KKS に移動して SEM
 昨年申請したプロジェクトの不採択通知が来る。残念。
 別に今日締切りの書類があったが、まだ終わらない。すみません>関係各位

1/31 (火) 曇、10〜16℃、しかし職場の室内は寒く感じる
 昨日締切りの書類を午後イチまでかけて書き上げて送信。試料熱処理1回。来週の研究会の発表スライドの構成を練り始める。
 本棚が狭くなってきたので、昔やった査読の関係書類を処分。初期の頃は依頼されるのが嬉しく毎回が印象に残っているのに対し、4年も経つと新鮮味が薄れて記憶に残っていない原稿も多くなる。リジェクトするときも丁寧にコメントを付けて返すのだが、しばらくしてその原稿が他の雑誌に掲載されていて、内容を見たらほとんど修正されていないということも。こういう人を相手にするのは疲労感が募る。そもそも無報酬で査読を引き受けるシステムには、対価として学界の最新成果にいち早く触れることができるというメリットがあったはずだが、いまやそのような恩恵にあずかれるケースは稀。査読者に報酬をくれるような仕組みにならないものかね。