日常 (3/1 - 3/14)

3/1 (日) 晴
 昼前に職場へ。共同研究者N氏から来た図面修正案に対して自分の案を返信。pptx で描くのはもどかしいので紙にペンで描いてスキャンした画像を送る。プロジェクトTのレポート書きにあたり過去のレポートやプレゼンスライドを整備。草稿をマインドマップ的に作成。別の書類書き準備。
 月初めなのにうっかりバスのカードのチャージを忘れて乗車してしまった。運転手さんに一応聞いてみたが、車内では1ヶ月ぶんのチャージはできないとのことで、しかたなく1往復ぶんの運賃だけチャージ。

3/2 (月) 晴、8〜12℃
 7時ちょうどに KKS へ。2時間 XRD をして職場へ移動。共同研究者S氏のデータを見て解釈をあれこれ考えるが、簡単に答えが出ない。プロジェクトTのレポートの下書き。明日の試料準備。同僚Bと4月の出張の交通や宿を検討。
 気温は高かったようだが、オフィスは寒い。ストーブつけっぱなし。自分の体調がすぐれないせいかな?

3/3 (火) 晴 → 曇/小雨、4〜12℃
 今日も7時ちょうどに KKS へ。2時間弱 XRD をした後、同僚Bと SEM。昼食後職場へ移動。プロジェクトTのレポートの文面修正と図準備。21 時 20 分のバスで帰宅。引き続き共同研究者S氏のデータについて考える。簡単には答えは出ない。眠い…

3/4 (水) 晴、1〜10℃
 家を出た後に財布と眼鏡を忘れたことに気付いて取りに帰る。うむ疲れているのが明らかだ。8時半頃に KKS へ。XRD。久々に5時間予約してあったのだが、2時間半使ったところで装置がダウン。最近よく起こるコミュニケーションエラー。間が悪いことに今週は休暇シーズンで装置をリスタートできる人がいない。まあしばらく諦めよう。ダウンする前にいくつかの重要な測定は終えていたので傷は浅い。
 昼食して職場へ。S氏のデータに関する物理現象の調査。同僚Eとレポート内容について打ち合わせ、内容をフィクス。ヤマを1つ越えた。夕食はパスタ屋へ。早めに寝よう。

3/5 (木) 晴
 共同研究者N氏から送られてきた論文の図の案を見てコメント。一部私案を作成。午後の中頃までかかる。
 同僚Eから送られてきたプロジェクトTレポートの体裁を整えて、提出。20 時過ぎに退勤。最近は目の前の仕事を一つ一つ片付けるだけで精一杯。

 今日一日で PowerPoint と Word の機能の不自由さに何十回とイライラさせられた。もとからできない事もあるだろうが、前バージョンではできたのに新バージョンでできなくなっている機能も多い。MS のイヤガラセ?それとも僕の PC が中古だから?

3/6 (金) 快晴、0〜13℃、春めいてきた
 朝、家で共著論文用 Photoshop 作業を少々してから出勤。昨日受け取ったS氏のデータに対しコメントを送信。同僚Eのポスターにコメント。共同研究者Fの学会予稿原稿にコメント。査読用論文読み始める。ただ物質合成して測りましたというだけのワクワクしない内容に、27 ページも費やしている。やる気が出ん。
 5月の航空券を予約。今回もトルコ航空。代理店のサイトではアリタリアアエロフロートでもっと安いプランが紹介されていたが、それらは僕の日程の席は残っていなかった。やはりできるだけ早く予約しないと。

3/7 (土) 快晴、0〜18℃、何この気温変動
 S氏のデータの解析を試みる(途中)。夕方近くに外出。トラムやバスに乗ったりカフェに腰を据えたりしながら査読原稿にとりあえず最後まで目を通す。ポカポカ陽気になると予報で言っていたのを忘れてつい冬装束で出かける。暑い暑い。
 Kindle で漫画3冊買う。

3/8 (日) 快晴、1〜21℃、こんな好天なのに外出せず、残念
 S氏に解析のうまくいかなかった結果を送信。査読少々。髪を切る(今年初)。SPIROU 誌定期購読のおまけでもらった "Cédric" の DVD を観る。

3/9 (月) 晴、7〜15℃
 出勤前に県庁へ立ち寄って、電話で要求された最近の契約書や給与明細のコピーを渡す。職場ではほぼ1日じゅう査読(今日締切なので)。煮詰まっていたが、帰りのトラムに乗っている時に着地点を見つけた。トラムが頭脳を活性化させたわけではなく、ひたすら長時間取り組んだ結果に過ぎない。27 ページの長い原稿といえどもアプローチの仕方は同じだ。ただページ数に比例するだけの時間をかければ良いだけだ。長い原稿は見ただけで億劫になって中々手をつけない、これが諸悪の根源。長い原稿こそ早く始めねば。って何を小学生でも知ってることを大発見みたいに。

3/10 (火) 晴→曇/雨、5〜15℃
 午後までかかって査読レポート執筆、送信。また大作になった。送信後も何度か読み返して余韻に浸っている。読者がおそらく数名しかいないのが残念だ。
 共同研究者S氏から送られてきたスライドの校閲。4月に行くワークショップに申し込む講演の予稿(下書き8割完了)。

3/11 (水) 晴、9〜15℃
 午前中に予稿原稿を仕上げて共著者に送信。午後、同僚Cの製膜のためターゲットをチャンバーに導入。来週のプロジェクトTミーティングのスライドに取りかかる。しかし自分の話がどの細目に属しているのか等、疑問が続出し、まだ作成を始められず。

3/12 (木) 快晴、4〜16℃
 朝5時半頃から約1時間にわたり、近所の教会の鐘が鳴り響いて眠りを妨げられた。何事だろう。月曜に起きたヘリ墜落事故の犠牲者の追悼か何かだろうか(同僚もそう推察していたが、真相はわからない)? 同様のことが過去にもあったような無かったような。もしそういった大規模な事故事件の被害者への追悼なら、1月中旬にも鐘が鳴り響いたはずだな。
 朝から夕方までスライド作成(途中)。細目についてボスやリーダーとメールでやりとりして、ようやく矛盾のない配置にたどり着く。面倒な仕事でなかなかはかどらず。途中だが次の仕事、共同研究者N氏の論文原稿に目を通す。1つの仕事が終わったら次、というやり方を改めて、いくつかの仕事を並行に進めようかと。

3/13 (金) 曇
 出勤前に、応物学会のノーベル賞受賞講演をネット中継で視聴。
 スライド作成続き。たった3枚のスライドになぜこんなに時間がかかるんだろう。このプレゼンの重要度に怖じ気づいているという大問題から、PowerPoint の使い勝手が悪いという小問題までいろいろ理由はある。でも進めなければ。合間に4月のワークショップに講演申込。夕食はパスタ屋。

3/14 (土) 曇、意外に冷えた
 昼過ぎにスライドを仕上げて同僚Eに送信。Petite Arche に買い物。ついでに iPod の電池交換のため店を2軒回るが今日はできず。2軒目で教えてもらった店に来週行くことにする。次の書類書きを、気分転換にトラムに乗りながらノート PC で。周囲から浮いていたな。

 今週はいろいろな面で日本の人との縁や人間性を濃密に感じた。応物学会があって共同研究先と内容を詰める作業に注力した。その応物のとある打ち上げの写真を見て、僕が別々の所で知っている2名の方が実は同門だったとわかった。ちょっと学会の話題をツイートしたら副会長からレスが来たサプライズ。4月のワークショップで共著をお願いする先生からは次の帰国時に会おうと招かれた。院の研究室の同窓会の通知も来た。その研究室の後輩の1人がスイスにいることを知って久々に連絡が取れた。家族からもちょっと長めの心情を吐露するメールが届いた。自分とは関係ないけど、応物のノーベル賞受賞講演でも強烈な個性に接して、職人性とアカデミズムの関係という問題が頭の中でぐるぐる回る。
 普段、自室か製膜部屋にいれば、ここがフランスということを忘れて自分の王国に閉じこもっている気分になる。そんな安穏とした心を今週は少なからず揺り動かされた。日常の行動一つ一つに「こんなことしてるオレは皆からどう見えるだろう?」と意識したり。