『刑事コロンボ 秒読みの殺人』ジェームズ・フローリー監督(1978) ★★★★☆

 これも子供の頃に見たが、覚えているのは映画フィルムの右上隅に2回現れる丸い印(パンチ)を合図に映写技師がリールを交換するという一般的な仕組みの解説と、ラスト画面にそのパンチが現れるお遊び。以後、映画館などの上映作品にパンチを見つけて「ああ、あれか」と確認する日々が続いた。肝心のお話や犯人像は全く覚えていなかった。今見ると犯人ケイの貧困だった生い立ちとそれゆえの強い精神力が心に迫る。逆境に遭うたびに「私はへこたれない、絶対に這い上がって見せる」と宣言するところがスカーレット・オハラを思い出すな。
 調整室でコロンボが機器をいじって画面にリサージュ図形を表示させて喜ぶ、本筋と全く関係ないシーンが2分続く。こういう箸休め的シーン、70 年代の映画や TV ドキュメンタリーによくあった。今見ると可笑しい。