敵と味方

 最近アパートの玄関が施錠されていないことがよくあると思っていたら、ついに昨夜また不法侵入者があった。買い物から帰って階段を上ったら最上階(4階)の僕のドアの前に陣取っていた。下の階の住人ともども声をかけて立ち去ってもらう。前回に比べて「出て行ってください」「警察を呼ぶよ」等の仏語を自分で使えるようになったのは進歩だが、あまり僕が今すぐ出て行けと繰り返すので、侵入者が「俺は犬じゃねぇ」とヘソを曲げる一幕も。「Je vous attende」と言うのがベターだったかな。

 発端は、もともと自動で閉まって施錠されるはずのドアが、何年か前から蝶番か何かの不具合でうまく閉まらなくなっていること。不動産屋やオーナーは改善してくれず、しかたなく住民らで開閉のたびに手動で施錠を徹底することにしていた。それでここ1〜2年は問題なかった。が、昨夜の一件のあとで2・3階の住人と話したところ、1階に最近入居してきた住人がいくら言っても施錠しようとしないという。僕も昨夜初めて1階の人と会ったけど、終始冗談めかしてウソもついてのらりくらりとクレームをかわす、僕の一番嫌いなフランス人のタイプ(仏人かどうか知らないけど)。不動産屋・オーナー、不法侵入者だけでなく1階住人も敵に加わったか。一方、この件で2・3・4階住人の結束は固くなったように思う。1階住人も早くこっちの仲間になってくれるように。