最後のお願いに参りました

 住民票が日本にないため、私には今回の選挙権がない。いろいろ思う事はあるのに投票という形で意思表示できないのが残念だ。それにつけても、SNS などを通じて目にする意見には自民党を支持する意見は皆無に近いのに、メディアの予想では圧倒的に自民が議席を占めるだろうという、この不一致をどう考えたらいいのか。自分が気の合う人だけをフォローしたり FB 友達にしたりしているからだという個人的な理由はあるだろうけど、もっと一般的な理由がありそうだ。
 1つにはネット民と非ネット民の意識の格差がある。ネット民だけで選挙したら自民が過半数など取るはずがないと思う。ところが実際には、お年寄りなど非ネット民は有権者のかなりの部分を占めている。非ネット民はネット民ほど多彩な情報を与えられず、主な情報源はマスメディアということになる。そしてマスメディアは今や経営が凋落の一途を辿っているから、強い者に付くしか術がないと。かくしてネット民と非ネット民の間で情勢に大きな差ができる。若い者が身近なお年寄りとなるべく話すようにしなければいけない。
 もう1つは何も考えずに投票する人や、投票しない人がかなりいるらしいこと。一昔前ならともかく、昨年の地震の後でどうしてそう国政に無関心でいられるのか? 熱し易く冷め易い日本人の特性のためか?
 さらに、票数が議席数に比例しない現在の選挙制度の問題。だがこれを変えるには時間がかかりそう。力を持つ者はさらに強くなるための制度を作り維持する。これが改められるには複数の党がドングリの背比べのように拮抗した状況になるまで待つしかないだろう。

 自分も Twitter で呟くだけでなく、個別に人と床屋政談のようにコミュニケーションして少しでも情勢に働きかけたいところだけれど、いま私が日常的にコミュニケーションする日本人はほぼ全員がネット民なわけで、あまり変える余地が無い。せめて実家の母と電話したついでに少し選挙について話した。自分の考えと共通している点もしていない点もあったが、自分の思いを誰かに喋れたのでとりあえず良しとする。あとは彼女が誰に投票しようと干渉しない。

 日本全国で投票率が高くなるよう祈っている。民主が政権を奪った 2009 年選挙でも、自民が圧勝した 2005 年選挙でも、各選挙区で見たらギリギリで勝負のついた所が多く、日本全国で票数を数えたら必ずしも第一党の合計票数がトップではなかったという。今回もあちこちでギリギリの勝負が展開されるだろう。だから1票を投じることは無駄骨ではない。もし投票率も高くて結果ヘンな党が選ばれたなら、それはもう仕方が無いやね。