もうちょっとだけ続くんじゃ

 製膜に使っているエキシマレーザーは、3〜4週間経つと内部のレーザーガスが劣化してきてパワーが出なくなり、そうなったら復活させる為にガスを交換しなければならない。ガスの値段はけっこう高くて無駄にできないから、いったん交換したらなるべくヘタるまで使い続けるようにする。ボンベの発注から納品まで2ヶ月かかることもあり、最近はどの時期にガス交換をしていつ頃に次のボンベを発注するかを長期的に計画するようにしている。もちろん、自分の休暇とレーザーガス劣化の時期を合わせることも重要なポイント。
 今回は休暇を8月末から取ることにしたので、休暇前の最後のつもりで7月中旬にガス交換を行なった。1ヶ月くらい製膜して、残った1週間はデスクワークに当てようと。しかし予想以上に早くレーザーガスが劣化し、明日か明後日に早くも今シリーズの製膜ができなくなりそう。一時帰国まで3週間、この際予定を変更してもう1回ガス交換して、もっと膜を作っておくべきかな。せっかく自分もテンションが高まってきたし。

 周囲に人がほとんどおらず、雑用も降って来ない7月後半〜8月前半は、じつは自分の研究を進めるのに絶好の時期なのだ。それに休暇から復帰するのは9月下旬、それまで製膜できない。以上を考えると、今ガス交換をするのは理に適っている。次のガスボンベの購入時期が早まることになっても。
 一方で、そうと決めたら、いま勤しんでいる朝から晩までのハードな作業スケジュールに少し余裕を持たせられる、ていうか持たせてしまうのが自分の弱いところ。例えれば、余命半年と宣言された病人が、自分の存在の証を残そうと寝食を忘れて最後の仕事に没頭していたら、ある日「やっぱり余命5年でした」と訂正されたようなもの。こういう時に人が示す複雑な反応はドラマになりそうだな。