オルレアンの貸自転車とトラム

 研究打ち合わせのため3年半ぶりにオルレアンへ。前回行った時には無かった、パリのヴェリブ Vélib と同様の路上無人貸自転車システムができていた。街の中のいたるところに拠点があって、どこの拠点でも借りられ、どこに返しても OK という仕組み。他の都市ではバルセロナコペンハーゲンでも見た。日本にもあったらいいね、と思っていたら昨年、富山で導入されていたんですね。コミュニティサイクルっていうのか。
 新しいシステムのようだけど、アイデアはずいぶん昔からあったように思う。30 年かそれ以上前の『フジ三太郎』の漫画で、「どこで借りてもいい どこで乗り捨ててもいい」という類似したレンタサイクルのシステムに言及していたのを見た記憶がある。読んだとき「これはいいシステム!」と感激したから今でも覚えてるんだな。実際に始まったという話か、あるいは検討段階という話だったのかは、今となっては不明。いずれにせよその時は定着せず早々にポシャったのだろう。時代がアイデアに追いついたというか、機が熟したというか。

 古い時代の物でいったんは廃れながら最近再び脚光を浴びている乗り物として、もう1つ「トラム」がある。ここトゥールでも百年前に走っていて、いったん消えたけれど、また 2013 年に開通させるとかで、いま街のあちこちで大規模な道路工事が同時進行中。おかげでバスの路線や運行時刻が毎週のように変わって戸惑う。でもトラムのある街はわりと好き。今日オルレアンでも乗った。一部区間では線路まわりが芝生だったりして、のどかな雰囲気。基本的に線路脇に柵などを設けていないのも開放的で良いと思う。でも日本ではそんなことをしたら世論やマスコミが黙ってないだろうな…。