感謝/応援

 原発は燃料棒プールに水が溜まり始め、また外部から電源も引けつつあるという話。放射線の影響は今後も注意が必要だが、ひとまず最悪の事態は避けられたようなので安心した。この 10 日間、危険な現場で作業に当たり続けた方々 − 東京電力自衛隊、米軍、東京消防庁、他にもいたかな?− の一人一人に、本当にありがとうございましたと頭を下げたい。ただし企業としての東京電力には、原発の設計に危機認識の甘さがなかったとは言えないので、相殺だ。あと、非常事態とはいえ外国勢の力を借りてしまったのが残念な気持ちも少しだけある。

 募金をしていた高校生に暴行して義援金を奪って行った男、コンビニの義援金箱を盗んだ女子高生…。一時期の海外メディアは日本人が非常時にも沈着冷静で礼儀をわきまえていると賞賛してくれたけれども、100% そうとは言えないことを再認識してしまった。

 ◇ ◇ ◇
 モーニング、イブニング、ビーム、スピリッツなど、いくつもの漫画雑誌の公式サイトに漫画家たちからの被災者応援イラストが特集されていて、最近ちょくちょくそれを観ている。かつて阪神淡路大震災の時にも、コミックボックスという雑誌が多数の漫画家の応援イラストをムック本にして発行した(今も実家にある)。昔も今もメッセージの内容は、「がんばれ」の一言から、被災者以外の人々に何が出来るかの具体的な提案まで、作家によってさまざま。でも、たしか阪神淡路のときの教訓として「心に痛手を負っている人に『がんばれ』は禁句」と言われていた覚えがある。単純な「がんばれ」イラストが何枚も続くと「いいのかなあ」と思わないでもない。
 個人的には涙を流すのが一番ヒーリングになると思うので、「今日は思い切り泣いてもいいよ、明日笑えるようになるために」的なメッセージが1枚くらいあっても良いと思うのだけれど、一般的には通用しないのかな。