再々投稿

 昨年8月末に再投稿した論文、20 週間経った今も under review 状態のまま。その論文誌に投稿した経験のある3人の研究者にリサーチしたところ、口をそろえたように全員が1年近く待たされたと明かしてくれた。それで、ああこのまま待っていてもホープレスだなと確信して、ついに投稿を取り下げて第3の論文誌に再々投稿した。
 取り下げたと言っても、編集担当者に「取り下げます」とメールを送っただけで、返事はまだない。ちゃんと認識しているのかどうかやや心配。二重投稿にならないよう注意しなければ。じつは投稿を取り下げるのは生まれて初めてで、勝手がわからないところがある。

 以前書いたように、査読者に与えられる査読期間は3週間だから、under review 状態が 20 週間も続くのは異常だ。11 月頃に編集担当者とやりとりした時に教えられたのは「ほとんどの査読者は2度3度とお願いしてようやく査読を引き受けてくれる」「期限の数日前に督促をし、レポートが提出されない場合は期限の7日後と 14 日後にさらに督促をする」「今回の論文の場合は既に3回査読者を交代させた」ということ。なるほど、編集サイドでは然るべき努力はしているんだ。
 まあ私の原稿が査読者たちにとって興味津々な内容ではなかったのだろうが、それにしても引き受けておきながらトンズラする査読者たちは無責任の誹りを免れない。なぜこの論文誌に限ってそのようなひどい査読者ばかりが集まっているのか理解できない。Impact Factor はそう低くないし。

 ちなみに悠久の時が流れているその論文誌の名は Thin Solid Films といいます。(暴露)
 もちろんこの雑誌への全ての投稿が査読に1年かかるわけではない。憚りながら昨年私が査読に携わった論文は、1回の改稿を経て2〜3ヶ月で掲載可の判定を受けていた。この論文の著者には「ラッキーだったね」と声をかけたい気分。