質疑応答練習

 なんとなく、過去に参加した学会での質疑応答の様子を思い出していた。
 座長に指名された聴衆が質問をし、講演者がそれに答える。場合により2、3回応酬が重ねられる。最後に質問者は「わかりました」もしくは「ありがとうございました」と言ってやり取りを終える。…というのがあるべき質疑応答の様式だと思う。

 しかしこの様式が常に遵守されるわけではない。最後の「わかりました」が出ず、ただ質問者が黙ってしまい、座長が「よろしいですか」と質問者に確認せねばならないこともある。また2、3回どころか何分間も1人の質問者が場を独占して喋り続けることもある(通常、質疑応答の時間は全部で5分程度しかない)。特に後者は最悪。質問したい人が他にいる可能性を考えていない。なぜ座長が制止しないのか不思議だ。もしかすると「よしよし、活発な議論が展開されているな」と内心喜んでいるのだろうか。

 質疑応答が必要になる場面はなにも学会だけではない。だから小学校のうちに、クラスで1回は質疑応答の練習をするのが望ましい。児童に割り振るべき役割は「座長」、「講演者」、「質問者」、そして忘れてはいけないのが「質問者以外の聴衆」だ。これがいないと質問者が永遠に1人で質問を続けてもよいことになるから。