マンガ、コミックストリップ、バンドデシネ

 先週 Amazon.fr で買った漫画。

・Yotsuba& (7) : Kiyohiko Azuma
 『よつばと!』の仏語版。この巻は日本語でも未読なので、最初にフランス語で読んでみたらどんなかなと思って買ってみた。子供が中心の話だから、台詞は比較的簡単な文章が多い。絵に対する文字の分量も私のレベルにとって丁度いい(じつは日本漫画の仏語版としては1年前に『失踪日記』(吾妻ひでお)を買ったけど、文字が多すぎて挫折した)。もともと読んでいて幸福感に浸れる完成度の高い作品ということもあり、辞書を引きながらでも飽きずに読み進められる。当たりだった。それにしてもこうして外国語で読むと、よつばも普通の言葉で会話しているように見えるな(それとも私がわからないだけで、やはり少しおかしなフランス語を喋っているのかな?)次に帰国した際に日本語版でオリジナル台詞に接するのが楽しみ。

・Moomin et la mer : Tove Jansson
 ムーミンの新聞連載漫画集。現在3巻まで刊行。イギリス、デンマークでも同じ装丁で売っているのを見た。日本では別のシリーズが筑摩書房から出ているからこのバージョンは出そうにないかな。この巻には、自分が小さい頃に講談社版で愛読した『ジャングル』『灯台守』『火星人』を含む全8編が収録されている。記憶の中の日本語台詞と照らし合わせながら読んでいると、講談社版ではなるべく意味を保ちつつ字数を極力減らした訳だったことがわかる。映画の字幕みたいな感じ。『灯台守』の荒々しい海の描写は今見ても胸を揺さぶられる。またムーミン世界にどっぷり浸かりたくなってきた。

・Kiki de Montparnasse : Catel & Bocquet
 1920 年代にパリで芸術家たちに愛された実在の女性「キキ」の生涯。藤田嗣治とも親しかったので、最近読んだ藤田の伝記本にもキキが少し登場している。そしてこの作品には藤田が少し出てくる。漫画の中の藤田は、なんていうか、由利徹演じるオヤジみたいな風采のナサケナイ男であった。いくら漫画にしやすい顔だとはいえ…。これほどさまざまな捉え方をされる人物も珍しい。