チャンバー作業2日目。チャンバーの内壁を掃除し、ターゲットステージをチャンバーに取り付ける。真横に向いているポートにステージを取り付ける際、直径 25 cm くらいの銅ガスケットを落とさずに挟むのが難しいのだが、インド人同僚が知恵を教えてくれた。ガスケットを 30 cm くらいの高さから床に垂直に落とす、これを2回やる。するとガスケットがほどよく変形して、ポートに嵌めた時に落下しなくなるという。実演してくれたら本当にうまくいったので「おお」と思った。

 コーヒールームで昼食を取っていると、休憩に来たフランス人教授と一緒になった。この人は以前より「フランスではフランス語を喋れ」的な雰囲気を漂わせているので私は少し敷居が高く感じていた。今日もその姿勢は同じで、彼は基本的にフランス語で話しかけてきた。ただ、私にわかりやすいようゆっくり喋ってくれたり、わからない時には英語で補足してくれたりした。通常、他のフランス人同僚の私へのコミュニケーションは、基本的に英語で話すか、挨拶以外は話をしないかのどちらかで、こういう教育的な方法をとってくれる人はあまりいない。私が欲していたのは、こういう親切だったのではなかろうか、と思う。