査読の行方

 4/11 (水):職場泊。朝、共同研究者の論文が掲載可の返事をもらったとの知らせ。査読待ちと改稿に時間がかかったが、ついにやった!
 一日中自分の査読する論文を読む。週の真ん中なので早めに退勤。『バーミヤン』で鮮々野菜炒め(初)を食べたら美味しかった。
 4/12 (木):朝、バーミヤンの真似をして野菜炒めを作る。店の味には及ばないが、自分の料理にしてはまあ旨い。

 昨日の続きで、本日が締切の査読レポートを夕方までかかって書き、ウェブから送信。今回も「大幅な改稿を要する」という判定を下し、どうすれば良くなるかというコメントを長々と付けた。私と別にもう1人査読者がいて、その人の査読レポートを見たらやはり同じ判定を下していたので一安心。また何ヶ月後かに再投稿してくるのだろう‥‥と思っていたら、送信の1時間後に編集部からメールが。
 「このたびは査読いただきありがとうございました。おかげさまで以下のとおりの最終判定に至りました。--- 掲載拒否」
 うわああああ、と思わず叫んだ。

 2人の査読者が「改稿すれば載せても良い」と言っているのに、編集部判断で掲載拒否という判定になってしまったのだ。じつはこれは通常号でなく特集号なので、発行までのスケジュールが決まっていて遅らせられないという事情もあるのだろう。
 以前、私の査読した論文が、自分は最終決定を下していないのに誌面に載っているのを見つけて、「なんで?」と不思議に思ったことがあったが、その後わかってきた。掲載の最終決定を下すのはあくまで編集部で、査読者はそのアドバイザーに過ぎないのだ。再投稿された論文が査読者の要求を満たしているのが誰の目にも明らかだったら、いちいち査読者に回さずに編集部で OK を出すこともあるのだ。そして今回のように逆の場合もある。
 この論文の著者に対する憐れみと、3日かけて書いたレポートが無駄になったという落胆と、いや、完成度の低い論文が世に出るのを未然に防いだことは意義のある仕事だという自己慰めが混じった気持ち。とりあえずこの論文には、安らかにお眠り下さいと言おう。

 『王様の本』が営業停止。びっくりした。不景気なようには見えなかったけどな。まだ実感がわかず、いつものように帰宅途中についフラリと立ち寄ってしまいそうだ。