1時間でわかる人物史?

 4/9 (月):朝から深夜まで、1時間ごとに試料交換。合間にデスクワークしようと努めるもなかなか捗らず。実験脳とデスクワーク脳の切り替えを素早くできるようにならなければ。
 4/10 (火):締切が明後日に迫った論文査読を重い腰を上げて開始。「もっとがんばりましょう」という意味のことを何て言ってわかってもらうか、悩む。

 『あるある大事典』が自然科学系バラエティなら、一昔前の『知ってるつもり!?』『驚きももの木 20 世紀』は社会科学系バラエティだ。当時はどれも比較的好んで観ていた。自分のあまり知らない人物や歴史的事項に関する入門的知識を与えてくれる資料として、1時間の番組は手頃な感じがした。しかしそれらの番組も往々にして、視聴者の目を引く少々誇張された主題がまずありきで、それに合うエピソードのみをつなげて作られた、偏った資料であることにだんだん気付いたのだった。
 たとえば、コロンブスの苦難の半生を描いた『1492 コロンブス』という映画が公開されたころ、それに対抗するように『知ってるつもり!?』では「コロンブスは欲に目がくらんだ大悪人だ」というトーンの番組を作ったり。もちろんダークだったりヒロイックだったりといろいろな側面を持つのが人間である。『プロジェクトX』も感動的ストーリーを仕立て上げようとして事実にそぐわない叙述をしたことがあったね。結局1時間の番組で1人の人間を理解するなんて到底無理なのだ。

 そのように社会科学系バラエティも自然科学系バラエティも、ずっと前から内容は怪しいものだった。それでも局と視聴者の間に、浅薄な情報でなんとなくその事柄をわかった気分にさせてあげますよ、という暗黙の約束事があったので、問題にならなかったのだと思う。それが、番組で取り上げた食材があっという間にスーパーから消えるような事態になった頃からおかしくなってきた。番組の影響力が大きくなりすぎて、暗黙の了解が効かなくなったのだ。要するに、みんな関西テレビを非難しているけど、テレビを見てスーパーに群がっていた視聴者(自分含む)も悪いんじゃないの、と。