ヴァージル・ティッブス

 4/7 (土):6時間おきに職場で試料交換。合間に JO-HOUSE で昼食食べたり、自室で洗濯したり、録画を DVD に落としたり。夜、図書館で借りた DVD を職場の PC で見る。
 4/8 (日):投票。職場へ。試料取り出し。一旦職場を出て松任図書館。帰宅して昔録画したビデオを HDD にダビングしつつ掃除。夕方より再び職場へ。
 石川ではちょうど桜が満開で、この週末は天気も良く、風もそよそよ吹いて気持ちがいい。こんな日は図書館がすいている。

■『夜の大捜査線ノーマン・ジュイソン監督(1967 米)(ネタバレあります)
 面白かった! そういえば黒人刑事ヴァージル・ティッブスのことは、小学生のときに学習雑誌の付録のミステリーガイド本で知ったのだった(ホームズやポワロとともに「10 人の名探偵」に選ばれていた)。黒人を差別する輩に対して静かに論を説き、しかし相手がなおも罵ると対決姿勢を露にする、芯の強い警官。で、今回初めてその登場作品に接した。偶然居合わせた南部の田舎町で殺人事件捜査に協力する羽目になったヴァージル(シドニー・ポワティエ)が事件を解決する話なのだが、警察の面々から町のごろつきまであらゆる方面から投げつけられる黒人差別の視線に対し、彼がどのように闘い、どのように理解し合ったかがじっくり描かれる。
 特に、警察署長ビル(ロッド・スタイガー)のヴァージルに対する態度が変化する様子が良かった。彼も町の人間と同様に元々黒人差別主義者で、最初はヴァージルを蔑むが、捜査を続けるにつれ徐々に友情のようなものが生まれ、最後は握手を交わして別れる。『パッチギ!』もそうだったけど、根強い民族的差別で反目し合っていた者どうしが、偏見を乗り越えて個々に友情を培う話には、無条件で胸が熱くなるね。

 わずか 40 年前の米国南部での黒人差別がどんなふうだったかが、よく伝わってくる。差別をする側の苦悩が描かれているのも印象に残った。ヴァージルの頬を打った途端に平手打ちを返された農場主の屈辱の涙。長年身に染み着いた差別意識はどうしようもないものなんだな。ビル署長のように皆が差別意識をなくせば世界は平和になるのだが、実際には難しい。アフリカ系黒人とイタリア系白人が別々の地域に住み分けているボルチモアの町を思い出した。最終的には、他者と共存するには適度の距離を置くしかないのだろうなあ。