奇人

■『変わった人たちの気になる日常』D. ウィークス、J. ジェイムス(1998 草思社

 何年か前に買いながらようやく読了。英国の心理学者が800人近くの‘奇人’を調査してまとめた一冊。全体を通して、奇人はふつうの人より精神的にも身体的にも健康だ、という奇人讃歌というべき内容になっている。そう、ともすれば誤解されがちだが、奇人と精神病患者は全く異なるものだとハッキリ書かれている。目からウロコだ。
 たしかに人目を気にせず自分の欲求の赴くままに生きているのだから、ストレスはたまらないよな。私もよく変わっていると言われることがあり、それが本書を手に取った動機だったのだが、人目を気にしている時点で自分はとても本物の奇人の仲間には入れそうにない。
 これからは『探偵ナイトスクープ』で常軌を逸した変な行動をするオッサンが取り上げられるのを見ても、可哀想な人ではなく幸福な人なのだと思うべし。