ネットの住人

 朝から深夜までクリーンルーム作業いくつか。時々外に出て飯を食ったり論文を読んだり休んだり。今日も初めて、もしくは久々にやる作業をいくつかクリアする。

 『電車男』の映画に国仲涼子が出るという記事を見て「おっ」と思い、さらに役柄は主人公山田孝之を励ますネットの住人役と聞いて「おおっ」と思う。『ちゅらさん』コンビ。ネットの住人役では他にも佐々木蔵之介岡田義徳らが登場するとか。ネット特有の‘顔が見えない不特定多数の住人’がワイワイやる雰囲気がそのまま映画になるのかなあと思っていたら、映画では住人たちの顔を出すんだね! にわかにこの映画への興味が高まった。
 この感覚は以前にも感じたことがあった。加藤茶後藤久美子が出演した、パソコン通信を扱った単発ドラマ『空と海を越えて』(1989年)。さまざまな立場にいる人々が、互いに顔を知らないままパソコン通信で交流を深めたり助け合ったりする話。ネットの住人たちを演じる役者の顔ぶれも実に豪華だった。クライマックスでは無人島に遊びに来た子供たちが集団食中毒に罹り、引率者の後藤久美子パソ通で助けを求めて、加藤茶を含む住人たちが協力して外国から血清を取り寄せて子供らを救う。日常に戻った加藤と後藤が、それと気付かず雑踏ですれ違うラストシーンが大変心憎く粋だと思った。もしかすると『電車男』も、無事両思いになった2人とネットの住人たちが知らずに接近遭遇するようなラストになるのかも、なんて。
 ある目的を達成すべくネット上で人々が一致団結するという点で共通しているので、おのずと2つの物語を比較してしまう。してみると今の時代、1人の暗いオタク青年をイケメンに変身させることは、集団食中毒を救うのに匹敵するくらい感動的な偉業なのか?