今井雅之

■『若いぼくらにできること』今井雅之(1997 岩波ジュニア新書)
 読了。『ハチロー』での熱演に魅了されている。調べたら今井氏自身もかなり熱い人生を送ってきたことがわかって、本書を手にとった。
 とにかく「役者になりたい」という強い思いが人生を貫いている。自衛隊入隊も、自分で発案して実行した本州縦断マラソンやサバイバル生活も、すべて役者になるための修行と考えてのこと。これほどに強い夢を持てたことをうらやましいと思う。一方、「ここまでやらなきゃダメか?」という思いも禁じ得ない。好き好んで寝袋もなしで真冬の北海道の縦断やって遭難しかかったりして、死んだらおしまいである。大なり小なり、冒険をしないと人は成長しないが、死なない程度にすべきだ。と考える時点で私は大物にはなれないのであろうか。
 ところで、かねてより「本をたくさん読みたい」と「読書家になりたい」は違う種類の願望だと考えているのだが、「役者になりたい」はどちらの仲間なのだろう。