健康診断

 昨年と同様、今年もなぜか測定する前から記録用紙に今年の身長が記してあった。前年と変化していないだろうという仮定である。会場に身長計は設置してあるが、案の定、係の人が私に「身長は測定の必要はない」と言う。でも一応測って下さいと頼んで測ってもらう。しかしあろうことか、受け取った用紙の身長欄は昨年の数字のままで、せっかく測った今回の数字は記入されていなかった。納得できずわけを聞くと「昨年のほうが高かったので昨年の値を採用した」とのこと。理解できない。「今回測定した値を記録しないのはおかしい」と主張した結果、係は他の担当者と相談した後に、ようやく今年の値の記入に応じた。ふう。身長を測るのになんでこんなに苦労するんだろう。
 我ながらそこまでこだわるのは滑稽だと思うし、昨年より縮んだ身長が記載されることが嬉しいわけではないが、やはり昨年の値をそのまま無条件でコピペするのは一種のデータ捏造であるから、些細なこととはいえどうしても合点がいかないのだった。
 だが後で何人かの同僚に聞いてみたら、ある人は「測っても測らなくてもいいけどどうしますか?」と確認され、また別の若い同僚は何も言わずに測定されたという。どうやらある程度年をとった者だけが身長測定を省略されているようだという結論になり、ショック。