ソーラン節

 買い物に関しては優柔不断な私がHDDレコーダーの購入をわりとスパッと決断した大きな理由は、部屋の中で場所を食っている数十本のVHSテープをいいかげんに何とかしたかったからだった。今まで使っていたVHSデッキと接続してテープの中身をHDDにダビングするのだが、まあほとんど3倍モードで録画していたから数十本もあるとさすがにHDDには収まり切らない。そのうちHDDの中身を取捨選択してDVDに残すことになる。でもとりあえず「テープを丸ごとHDDに放り込む」を始めた。
 テープだから6時間分の映像のダビングには6時間かかる。夜、ダビングを開始して寝る。朝起きたらちょうどテープの最後のほうにさしかかっていて、北島三郎が画面で歌っていた(紅白)。ダビングが終ったらHDDの6時間分の映像を番組毎に分割したりタイトルをつけたり。この調子で1日1本ずつテープを処分できる。すばらしい。

 時期外れな話題だが、昨年の紅白で個人的に最も心に残ったシーンは、伊藤多喜雄のソーラン節に合わせて踊る稚内の中学生たちだった。百人を越す子らが氷点下の寒さの中、揃いのハッピを纏い、中学校の校庭で心を一つにして力一杯踊る姿。ダビングしたHDDからその部分を再び観ていたらさまざまな思いが溢れ、なんだか泣けて仕方がない。