味わいスポット

 閉鎖された石見銀山の古い民家を活動拠点として、服飾ブランドを発表しているデザイナーが新聞で紹介されていた。服だけでなくこの古い町並みの復興を手がけ、服と町を一体でブランド化するような活動の結果、若者や芸術家が町に集まるようになったとのこと。

 島根県にこういう町があったとは知らなかった。彼女が手をかけて初めて魅力を発信するような町になったのかもしれないけど、じっくり向き合えば味わい深い土地というのはいろんな所にあるのだろうな。そういう味わいスポットというのは、観光ガイドブックには載っていない。本に載った時点で味わいを失ってしまうとも言える。
 自分もせっかくあちこちに旅行に出ているのだから、ガイドブックに頼らずに自分の足でそういう場所を探してみたいものだ。なかなかそうするだけの滞在時間がとれないんだけどね。そう思う一方で、自分が住んでいる土地も、普段気付かないけどたまに‘美しい’と感じる瞬間があったりする。実は味わいスポットは自分の身近にあるのかもしれない。

 ところで来週は韓国に出張する。韓国はまさに、ちょっと裏道に入ると心を揺さぶるようなノスタルジックな風景に簡単に出会える、味わいスポットの宝庫だよね。2年前に行った時はガイドブックに載っている店や案内してもらった場所にしか行っていなかったけど、できれば今度は自分の足で未知の土地を探検したい。
 しかし最近の韓国は3月としては100年ぶりの大雪だとか、特急セマウル号脱線事故を起こしたとか。大丈夫かな。