ノド

 ノドをやられてしまって、今週はずっと負けモードだった。
 夜中に寝ていても咳のために2時間おきに目が覚めるような状態になり、ついに耳鼻咽喉科の門をくぐる。物腰柔らかそうな医師が私のノドの奥を一瞥して即座に指示を下し、あとはそれぞれの担当の看護師のもとで注射してもらったり蒸気吸入させられたり。

 この1年間に内科、歯科、皮膚科、耳鼻咽喉科の医院または病院にお世話になったけれども、すべてに共通して感じた点は患者への対応が非常に流れ作業的になっているということだ。作業ごとにセクションが分かれていて、トップの医師は一瞬患者を診察して治療方法を決定するだけ。ちょうどプロダクションで漫画を製作している現場のようだ。小学生の頃に行った実家近くの内科や歯科はどこも1人で人物から背景まで描き、ベタ塗りアシが1人いるだけの漫画家のようだった。このような変化の背景には、医療技術が簡単化して末端作業を下の者にまかせられるようになったとか、多数の患者をこなさないと営業が成り立たない(?)とか、いろいろ理由はあるのだろう。まあ今更だけど。

 「唾を飲むだけで苦痛」だった症状はだいぶ改善した。
 でもまだ咳は出ている。職場に来て学生と一緒に実験準備などして、いつになく沢山喋ったからかな。