新技術

 消えるインクトナーが実用化されるという。印刷した紙を加熱するとインクが無色になり、紙を再利用できる。これは画期的だ! いつかは出ると思っていたけど、案外早かった。
 どこのオフィスでも紙の洪水状態にうんざりしているだろうから、このトナーはきっとヒット商品になると思う。一方、製紙業界にとっては大打撃かもしれない。でもいずれ電子ペーパーなども実用化されるはずだし、環境保護の観点から見ても今後紙の消費が減っていくのは時代の流れだ。新技術が軌道に乗ればその影で衰退する業種があるのは世の常。

 とある福祉製品の会社の会長が15年かけて「金属丸棒の途中を太くする」技術を完成させ、愛媛大学から博士号を授与されたとのこと。棒を回しながら両端から力をかけるのだという。まいった。これは考えつかなかった。途中が太い丸棒を作りたい場合、今まではまん中だけ残して他の部分の径を旋盤で削るしかなかった。今回の技術を使えば削る量を大幅に減らせるわけで、やはり資源節約に威力を発揮する。必要は発明の母だなあ。我々も普段何かに不便を感じることは多々あるけれども、それを解決しようと考えるか考えないかが発明家と凡人の違いで、自分はまだまだ凡人だと思い知った。

 地上波デジタル放送も画期的なのだとは思うけど、どちらかというとこういう発明のほうに賞讃のまなざしを向けてしまう私でした。