イラク

 実験装置の工作。夕方電話がかかってきて、明日からの予定だった実験装置が今から使えるとのことで、急きょ実験準備、測定開始。めっちゃ疲れた。

 イラクでの外交官殺害事件がきっかけで、自衛隊派遣の是非について少し考えてみた。米国との約束、石油の恩恵、テロに屈しないという精神、危険性などが議論の材料になっている。しかし思うに、一番重要なのはイラクの人々が何を望んでいるかではないか。
 問題はその民意が全く見えてこないこと。フセイン政権が崩壊したのは喜ばしいが外国の軍隊が入ってくるのは嫌だなんて勝手を言っている。外国人を次々と襲うテロリストを民衆が幇助もしくは黙認しているような状況。殺害されたスペイン人たちの遺体をイラクの若者たちが踊りながら踏み付けていたと聞くと、今の彼らは憎しみや屈辱に目が眩んでいるのだと感じる。そんなところに自衛隊などが病院や橋を作りに行っても謂れのない反発を受けるだけで、こんな馬鹿馬鹿しい話はない。向こうが来るなと言うなら、行かなければいい。
 復興のために日本や諸外国の助けが必要だ、とイラク人自身が認識することが派遣の前提条件だろう。そのためには民をまとめるリーダーが要る。外国人ではなくイラク人のリーダーが。イラク民衆の代弁者との意思疎通があって初めて、自衛隊の派遣と復興支援を効率良く進めることが可能になると思う。