レーザープリンタ

 朝、サンダーバードで新大阪まで出て、新幹線に乗り換え岡山へ。指定は取らず、金沢駅サンダーバードの自由席に乗り込んだら、意外に混んでおり、座れる席がないことに気付いたときにはドアが閉まっていた。結局京都まで立つ羽目になる。さっさとサンダーバードに見切りをつけて、後発の特急雷鳥で座って行くという選択肢もあったのに、判断を誤った。雷鳥は時間がかかるのと車両が古いのが難点だが、それ故比較的空いているのだ。「立って行くサンダーバードより、座って行く雷鳥」だと知る。

 午後から物理学会会場へ。夕方まで講演を聴く。今回も自分の発表はなく、会う人には「遊びに来た」と説明する。ちなみに旅費は自腹です。
 学会に来るといつも思うことだが、講演用のカラーOHPシートを印刷するのにいまだにレーザープリンタを使っている人が多い。私も昔はそうしていたが、レーザーで打ち出したカラーOHP原稿は色の明度と彩度が著しく悪く、ひどい時には赤と青の線が両方黒になって区別がつかないほどだ。このことはシートをプロジェクタに乗せて透過光を当てないとわからないことなので、講演の最中に自分のシートの醜さに初めて気付いてたじろぐこともしばしば。
 で、美しいカラーOHPシートを作る人はみんなインクジェットプリンタで印刷していることを知り、私も2年前にインクジェットに乗り換えた。考えてみればレーザープリンタの色の素はトナーだ。トナーは粉だ。粉の透光性がインクにかなうはずもなく、OHPに不利なのは当然といえよう。紙への印刷なら品質にそれほど差はなく、むしろ高速印刷できるレーザーに利があるが、ことOHPに関してはレーザーをお使いの方はぜひインクジェットの導入を検討されてはいかがかと、聴衆の一人として思う。もしくは昔のように油性カラーペンや粘着カラーフィルムを使って手作業で色をつけたほうが色彩的にはまだマシ。