みんみん

 日曜日、めずらしく英語の勉強でもしようと、『サンダーバード』を日本語吹き替えで観た後にもう一度英語版で観てみたら、日本語版ではわからない細かい設定とか登場人物名の違いにいくつか気付いた。
 たとえば救助隊のアシスタントをしているミンミンという娘さんの名前、前からなんとなく不自然だなと思っていたので、英語版を注意深く聞いてみたらやはり違う名前で、なんと Tintin と呼ばれている。笑ってしまった。さすがに日本語版で「チ○チ○」とは呼べないし、かといって「ティンティン」は日本の子供が呼びにくいし。
 他にも山を爆破する企業の作業車の運転手がかなりクセのある英語を話し、技師に Chang と呼ばれていた。吹き替えではわからなかったが、中国系の人物だ。1960年代にありがちだった「英米人から見たアジア人」の、少々アジア人を馬鹿にしたようなプロトタイプのキャラだったのだ。日本語版は翻訳の段階でフィルターで浄化された作品だと実感。

 いつか書き留めておこうと思っていた雑ネタ。昔の洋物アニメはオリジナルと日本語版とでことごとくキャラの名前など変えられている。私の好きだった『ドラドラ子猫とチャカチャカ娘』というアニメの場合はこんな具合。

 「ドラドラ子猫とチャカチャカ娘」 ← Josie and the Pussycats
     チャコ ← Josie
     メロディ ← Valerie
     ミミ− ← Melody
     キザトン ← Alan M
     チョロ ← Alexander
     サンデー ← Alexandra

 メロディの名が英語版と日本語版で別のキャラに割り当てられているのが面白い。英米に「チャコ」や「チョロ」なんて奴はいねぇ‥などとわかるはずもなく、こんな大胆な改変を当時の子供はすんなり受け入れていたのだった。私も含めて。