『千と千尋』がアカデミー賞

 受賞しましたね。すごい。受賞したらいいなとは思っていたけど、正直言って可能性は五分五分だろうと予想していた。私はこの映画を見てあまり感情移入しなかったほうではあるが、今回の受賞は素直に嬉しい。
 世界が一つになればいい、とか言っていながら、やはり日本が優位に立つと嬉しいのか?
 いや、たぶんこの映画全編で強力にアピールされている日本的なアイテムや考え方を米国の人々に支持されたことが嬉しいのだな。欧米人にとって日本人はいまだに理解し難い存在らしいから。

 今朝の三大新聞の社説はいずれもこの受賞をとりあげていたけど、その主張は三者三様で面白かった。以下勝手に要約。

  朝日:善と悪の共存する世界の話が、戦時下の米国で共感を呼んだのは興味深い
  毎日:日本の芸術家の表現が世界に受け入れられたことは意義がある
  読売:人材不足の日本アニメが中国韓国に追い抜かれないよう、これを機に何とかしろ

 知識人の朝日、アーティストの毎日、庶民の読売といったカラーが如実に現れている主張ですな。確かにアニメは「芸術」と「産業」の両方の面で大きな力があるからねー。まあヨーロッパの人々がジャパニメーションのコスプレを嬉々としてやっている映像を見たりすると、まだ日本アニメが中国韓国に抜かされるのは先のことだろうと思う。でもたまには中国韓国独自製作のアニメがどんなものか見てみたい気も。