遠方より来たる

 仕事の打ち合わせのため、さる企業の方が職場に見えた。「方」と書いたがじつは高校の一年後輩である。最初仕事メールをいただいてしばらく気付かなかったが、なんだか差出人の名前に見覚えがある、あっアイツじゃないかと。先方も私の返事を見るまで気付かなかったようで、えらく驚いていた。こんな偶然があるんだ。

 そんなわけで本日、東京からわざわざ訪ねてくれた彼と約20年ぶりの再会。
 どんなふうに接するか迷ったが、メインの仕事の打ち合わせのときは、少々照れくささを感じながらも一応敬語でしゃべった。
 せっかくだからと終了後メシを食いに行く。仕事が終れば昔のような口調にチェンジ。話の面白い男で、話題が泉のように湧き出てくるうらやましいタイプだ。そういえば高校時代からそうだったなあ。「ちょっとしゃべり足りない(笑)」と言い残して慌ただしく東京へ帰って行った。

 高校で共に過ごした人々とは会う機会も少ないけれど、時々こうして言葉を交わすと元気をもらったような気持ちになれる。
 彼とは桜の頃にまた会うかもしれない。