イカの塩辛の茶漬け

 最近読んだ4コマ漫画に“イカの塩辛の茶漬け”が出てくるのがあった。普段からあっさり味の食事に慣れている子供が、たまに気が向いてカルボナーラなど食べるもそのクドさにあえなく降参、その後に口にしたイカ塩辛茶漬けにやっぱり旨いと涙する。茶漬けをすする「そぶそぶそぶ、ずず〜〜‥‥」という擬音も印象深く、読んだわたくしの頭はもうイカ塩辛茶漬けに支配されてしまったのだった。

 早速イカ塩辛を買って来て茶漬けを作る。御飯に乗せ、ちょっと胡麻など振って、余計かもしれないけど“ほんだし”もちょっと振って、お湯を注いでそぶそぶずず〜。うーん。すばらしい。
 スープが程よくあっさり味な中で、イカを噛むと濃厚なうま味がぎゅっと広がるのがいいね。
 3日食べ続けて、買って来た塩辛がもうなくなってしまった。また買ってこよう。

 簡単にできて旨い食べ物が好きなのだ。たとえば昔『美味しんぼ』で紹介されたうどんの食べ方。茹でたうどんを器に入れ、梅干しとネギと大量の削り節を乗せて醤油かけてお湯を注ぐだけ。豚バラとネギの炒め物も私の定番メニューだ。油はバラ肉から出るので足す必要がなく、味付けは塩コショウのみ。他は一切不要。
 少ない種類の食材が、一人二役も三役もこなしている感じがいい。まるでわずか3人で奏でるジャズが無限の音楽世界を展開して見せるような。きっと他にも絶妙な食材の組み合わせがあるのだろう。