MUSASHI

 『武蔵』の第一回目を再放送で見た。
 
 今年の大河は体育会系かな、と、体育苦手だった私は内容には正直あまり期待していなかったけれども、見てみたらグイグイ引き込まれた。真剣に生きるとはどういうことかが描かれている。それはどんな分野に生きる人にも共通のテーマ。浅はかな先入観を持ってすまなかったね。
 市川新之助のギラギラした顔がいい。

 モリコーネの音楽にはすごく期待していた。注目のテーマ曲が始まる。

 ♪ゆーきやこんこ、あられやこんこ
  「まいどお騒がせしております‥」

 ジャストタイミングで窓の外から灯油の販売カーの声が。こんなときに来るなよ。
 でも録画していたからあとで何度もじっくり聴いた。美しいけれども、例年に比べると“普通の曲”だった。いつもの大河のテーマ曲は、2分40秒の中に躍動感やら優美さやら静寂さやら、あらゆる要素を含めたドラマチックな展開のものである場合が多く、それに慣れた者にとっては今回の曲はちょっと物足りない気がした(だからといってあの途中の雷鳴は余計だね)。
 しかし劇伴のほうはキラリと光っていた。さすが映画音楽の巨匠。ああそうか、彼はテーマ曲と劇伴を一まとまりの作品と考えているんだ。だからテーマ曲だけ派手にすることはしないんだ。
 「テーマ曲だけでなく、ドラマ音楽をすべて私が担当しないと意味がない」とモリコーネが言ったのはこういうことだったのだな。

 『利まつ』『時宗』『葵』は途中でギブアップしてしまったけど、今年は楽しめそう。