『秋刀魚の味』

 「さるさる」に書き始めたからといって、毎日書くとは限らないのだけど、まあ以前に比べると、軽い内容を頻繁に書きまくるようなスタイルに変わるとは思う。日記的なことも織りまぜて書いてみよう。今日は冬の裏日本には珍しく好天であった。夕食の後に初泳ぎしてきた。久しぶりだったので息が切れた。プールに通うならせめて週3回くらいのペースで通い続けないと効果が薄いのだろうな。うーむ。

 正月に見た数少ないTV番組の中では『秋刀魚の味』(1月3日、フジ系)が楽しかった。1962年の小津監督の旧作を、脚本はほぼそのままで、舞台だけを現代に移し替えてリメイクしたドラマ。旧作は未見だが、いかにも小津らしいゆったりしたテンポの台詞と、それを現代に無理矢理当てはめたミスマッチがなかなかよろしい。
 つい裏方趣味で、新旧のキャストを比較したくなり、ネットで調べてみた。

 (新)     (旧)
 宇津井健 ←→ 笠智衆 
 財前直見 ←→ 岩下志麻
 佐野史郎 ←→ 佐田啓二
 余貴美子 ←→ 岡田茉莉子
 植木等  ←→ 東野英治郎
 泉ピン子 ←→ 杉村春子

 宇津井健っていま71歳なんだってね。“おじいさん俳優”笠智衆は当時58歳。それよりも年上になってるなんてびっくり。あと主人公の元部下がバーで「世界の国からこんにちは」を歌うシーン、旧作では「軍艦マーチ」だったようだ。時代を現代に合わせるスタッフの苦労が見えて、なんだか可笑しかった。
 一概に、演じている俳優は旧作のほうが新作よりも一回り若い。そして62年にとって第二次大戦はわずか17年前の話だが、03年にとって大阪万博は33年も前なのだ。そう思うと、科学技術の発展は目覚ましくとも、じつは今という時代は旧作の時代よりも変化に乏しい時代なのか、と思ったりする。
 いつかゆったりした時間のあるときに、旧作も見てみよう。