このあとのNHKの番組から

 かねてから一部で報道されていたとおり、紅白歌合戦平井堅中島みゆきは中継で歌うことが正式に発表された。紅白で歌手が中継で歌うのは1990年以来である。この年は長渕剛がわざわざベルリンまで行って悪態をつきまくった中継や、宮沢りえが高輪のビルの屋上で風呂に入って歌う意味不明の中継などが印象に残っていますな。
 まあこの失態のせいだけではなく、やっぱりお祭りなので皆が一箇所に集まって歌うほうが楽しいと思うから、もともと紅白の中継にはあまり賛成ではない。といっても最近の紅白は自分の出番だけ出てトットと帰る歌手も多いから、そもそも「皆で一緒に」という雰囲気が薄れてきたのは確か。それならば何人かは珍しい景色の中で歌うほうが人目を引くかな。

 ああ、そういえば昔ザ・ベストテンで、歌手が中継で歌うときはスタジオのときよりも集中して見ていたような気がする。あの番組の中継の場合は、どうしてもスタジオに来られない歌手が、それでもなんとかして番組に参加するという熱意の表れのように感じられたものだ。中継で参加した歌手を、番組最後にもう一度呼び出すのも楽しかった。
 紅白の場合は中継をやるためにわざわざ現地に飛ぶのだから、ベストテンみたいに「ひょっとしたら歌手は放送に間に合わないかも」なんていうハプニングやスリルは無いけど、やはり離れていても心は一つ的な熱意が伝わってくるような構成・演出を期待したいです。

 黒四ダムで「地上の星」を歌う中島みゆきはなかなかすごい映像になりそうだ。真冬の厳寒の地で歌手が歌い、その電波を地形の険しい山奥から全世界に飛ばすという計画自体が、もしかするとプロジェクトXなみの挑戦なのかも。