終りなき旅

 早いものでもう8月ですね。ここ2週間くらいはずっと仕事で文章を書いており、ようやく昨夜完成して原稿を発送したところ。こういう仕事って、早めに終らせようと思っていても、結局締切りギリギリまで手元において手直ししてしまう。見るたびに直すところが出てくるのだからイヤになる。今回のように締切り日がある場合はまだいいけど、締切りのない仕事だとズルズルと遅れて気がついたら何年もたっていた、なんてことも。自分で「この程度できたら一応終了」という基準線を引かないとね。

 明確な最終到達目標が設定されている仕事(A)と、設定されていない仕事(B)がある。これだけやればOKというのがA、常に上をめざして努力しなければならないのがB。仕事でなくてもたとえば「大盛りラーメン3杯を30分以内に食べる」という作業はA。「30分以内に大盛りラーメンを何杯食べられるか」に挑戦するのはB。ポップチャートで1位を達成するのはA。1位を何週連続キープするかに挑戦するのはB。これを見るとわかるように、Aを達成するとさらにその先に新たにBが現われるようになっている。

 人生は究極のBであろう。自分のため、他人のために、少しでも多くのことを成し遂げようと努めるのが人生。だから死ぬ時に「自分はやるべきことをすべてやり遂げた」と満足して旅立てる人は少ないだろう。どんなに偉大な業績を成した人でも「ああ、あれができなかった」と、何かしら悔いを残して旅立つものだと思う。『シンドラーのリスト』のラストシーンで、1200人のユダヤ人の命を救ったオスカー・シンドラーが「この金バッジを売ればあと2人救えた」と泣いたように。
 それでもトータルで判断して、いい人生だったと思ったら笑って死ねる。そんなふうに生きたいのだ。

 ほかにも『千と千尋』のDVDの色調がどのくらい赤いのかなどという他愛のない話を書きたかったが、なんだか真面目な話のあとに急に話題を変えるのも不自然な感じなので、今日はこのへんで。