木漏れ日の村にて

 3日は夜10時頃に安曇野界隈に到着。ここで一晩泊まるつもりだが宿を予約していないので、飛び込みで何軒か訪ねる。もしだめなら車中泊だ。幸いルートイン安曇野という豪華なホテル…の隣にある古いホテルが空いていた。なんとシングル一泊3500円! すばらしい! 建物はオンボロ、温泉も娯楽施設もないけど、ベッドと屋根があれば私には十分。ベッドは清潔だったので問題なし。いつかまた行きますから隣に負けずに頑張って下さい“ビジネスホテルにし”さん。

 安曇野の朝はすがすがしい。しかもちょうど初夏の穏やかな気候で、カラリと晴れて気持ちがいい。一年で一番いい時期に来ちゃったかな。アハハハハ…とか笑いながら陽光キラキラ降り注ぐ森の中を駆けていく(嘘)。
 ここは学者村というところ。国道を走っていたら道路案内標識にその地名を見つけたのだ。なんじゃ、学者村って。学者がたくさん住んでいてあーでもないこーでもないと森羅万象を論じているのか。シェルジェ自治領みたいなもんか。
 来てみたら、軽井沢に似た雰囲気の別荘地だった。40年ほど前に、主に大学教授や文化人を対象に開発された。学者村って正式な住所なんだね。ここに別荘を作ったら手紙の宛先は「長野県南安曇郡穂高町大字○○○学者村」になるのだ。なんだかなあ。「私は学者です」と主張しているみたいでイヤだな。森の中を散歩する人を見るたびに「あ、学者が歩いているぞ」という目で見たりして(もっとも最近は学者以外の入居者も増えたらしいが)。まあ余暇を過ごす土地としてはこの上ない環境である。

 学者村だけあって、美術館やミュージアムが多い。「有明美術館」「安曇野絵本館」を見て回る。GWにもかかわらずさほど混んでなくて快適。最後に「大王わさび農園」に行こうとしたら、これが大渋滞。クルマ進まない進まない。そうか、芸術よりもわさびか>観光客。
 夕方までに実家に着かねばならなかったので、わさびソフトクリームはまたの機会にする。高速ぶっとばして東京へ。
 
 その夜、重大な法則を発見してしまった。それは
『車をぶっとばした後に酒を飲むと必ず沈没する!』
ということである。以前にも同じようなことが何度もあったのだ。約束の時刻に間に合うようにドキドキしながら猛スピードで車を運転すると神経は興奮するわ血圧は高くなるわで、アルコールを血中に過剰にとりこんでしまうのか。と、沈没した頭で考えてみるが苦しみが和らぐわけでもなく。
 こんな失敗をくり返すことで、酒とうまく付き合えるようになっていくんだなあ。(←酒呑みの自己弁護)