掃除の心理

 それで思い出したけど(掲示板参照)、先週末にちょっと気合いを入れて部屋の整理整頓清掃をしたわけです。畳の上に散乱していたブツをとりあえず高いところに上げて、床の露出度を50%からほぼ100%にまで高めた。あちこちに積み上げられていた本はサイズ別に分類して、なんとか棚に収納。読まない雑誌を大量に処分。炬燵布団はクリーニングへ。ファンヒーターは灯油を抜いて押し入れへ。掃除機をかけた畳は水拭き。まだ物の多い部屋ではあるが、努力の甲斐あって見違えるようになった。まあ作業前がひどかったせいもあるけどね。
 気分がいいので、僭越ながら今回だけ掃除について偉そうに語ってみる。

 以前「ためしてガッテン」の掃除の回で山瀬まみが言っていた。「部屋がきれいだと自分もきれいになる。片付いた部屋を見ると『じゃあお紅茶でも入れようかしら、お花でも生けようかしら』、散らかっていると『わあ汚ねえ、見ないことにして寝てしまえ』となる。」 うんうん(同意)。
 掲示板に書いたように、何事でも「やらないとマズイぞ」という心境ではやる気が起きず、「やるとイイぞ」という心境ならやる気が出る。片付け前はこれからやるべき膨大な作業に絶望し、天を仰いで嘆息したあげくいつまでも作業開始できずにいたりするが、片付け始めると少しずつキレイになっていくので次第に「よしもっとキレイにしてやろう」とやる気が出て、片付け終わったあとも勢いは止まらずに料理など作ったりする。とにかく作業を始めることが大事なのだ。始めさえすればその作業は半分終わったも同然、という言葉もある。

 実は今回作業をしている時に常に頭にあったのが、整理整頓について京極夏彦氏が語っていた鉄則だった。曰く、完璧に整理整頓された状態ってのは長期に渡って崩れずに秩序を保つけど、ツメが甘くてちょっとでも乱れが残っているとすぐに乱雑な状態に戻ってしまうとのこと。私は普段は70-80%くらい片付いたら「ま、こんなもんでいいか」と放り出してしまう癖があるのだが、今回は京極先生の教えを肝に銘じて徹底的に片付けるようにした。
 まさにその通りです。今は散らかしたあとにすぐ片付ける自分がいる。「ツメが甘いとすぐ崩れる」…考えてみれば物事は何でもそうだなあ。