日本アカデミー賞

 韓国に行ってきました。いろいろ見聞きして、いろいろ飲み食いして、充実した日々でした。いずれまとめて書きます。でも、こう韓国ガイド番組や韓国特集雑誌記事が山のように出回ってると、オリジナリティのある紀行文を書くのが難しい…。

 日本アカデミー賞授賞式をTVで見た。私は映画館で見ることが少ないので、この番組で紹介される映画の断片を見て一年分の映画を見た気分になるのが例年のならわし。しかしついこの間見たばかりだと思ったらもう一年経ってしまった。この調子でいくとアッという間にじじいになってしまうな。
 それはともかく、『陰陽師』の野村萬斎にハマった。飛んだり跳ねたり術をつかったりの部分は興味ないけど、ニヤリと笑った不敵な微笑。ライブで聞けば肩こりも治りそうな、張りのある低音の発声。観客が映画から受け取るメッセージはストーリーや音楽だけでは決してなく、出演者の一挙手一投足、しゃべり方などを享受するという部分も重要なのだな。

 そして最優秀作品賞は『千と千尋の神隠し』、まあ記録的ヒット作品だし、この賞を運営してるのが日テレ系だし、さもありなん。そういえばまだ観てなかった。たまたま近所のワーナーマイカルでレイトショーにプログラムされていたので、今更だが1200円払って観た。
 うーん、ハリーポッターを観た時にも思ったけど、この非現実世界のルールがわからないのがもどかしい。なんで”汚れ神”の体内に山のような粗大ゴミが? なんで一晩明けたら草原が海に変わってるんだ? 電車はどこからどこへ行くのか? 町をうろついてる黒い影たちは何者?
 「自然を汚すな」「カネに踊らされるな」等々のメッセージはわかりやすすぎるくらいだが、豊富な不思議アイテムに”物のコトワリ”の裏付けがないと作品世界に入り込めない、こんなオレはファンタジー映画の観客には向いていないのであろうか(かといって全部説明するような映画も勘弁してほしいと思うが)。ただ、宮崎監督の繰り出すイマジネーションはたしかに圧倒的だ。ハリポタより圧倒的だ。想像力において宮崎駿を超える若手アニメ作家は当分登場しないかもしれない。
 3月から再び拡大ロードショーだそうだ。すごいなあ。ふぅ。