(笑)

 メールや書き込みなど、ネット上の文章に(笑)という表記を使い始めたのはいつだったろう。(^ ^;)などの顔文字はあまり好きではないけれども、雑誌の対談やインタビュー記事で昔からおなじみの(笑)は比較的抵抗なく使えた。応用で(大笑)(苦笑)(冷笑)(泣)(号泣)なんてのも使ったりして。「わははは」と書くこともありますね。なんか新井素子中島梓みたいだけど。
 (笑)という表記は読者に笑うことを強要しているので嫌いだ、と言う人が時々いるが、これはもともと筆者が笑っているムードを示すもので、読者に笑えと言っているわけではない。(泣)と書いてあっても泣く読者はいないのと同じ。とはいうものの(笑)と書いてあるとこちらも笑わなければいけないような気に少しなるね。でもこれは現実世界でも同じで、会話している時に話し手が冗談を言いながら自分で笑ったら、聞き手は一緒に笑わなければ悪いような気がしてつい笑ってしまうという場面は多々ある。「冗談を言って自分で笑う」のもやりすぎるとオヤジ臭いのでほどほどにしたいとは思う。逆に聞き手側も、おつきあいで笑ってばかりいると話し手のためにならないんだよね。
 要はネット社会でも現実社会でも、読者(聞き手)は筆者(話し手)と一緒に笑いたければ笑えばいいし、笑いたくなければ笑わなければいい。泣きたければ泣けばいい。爆発したければすればいい。(しつこい)

 ひところ、いしいひさいちが3つの週刊誌でほぼ同じタイトルの連載してましたね。
・『なんでもあります(笑)いしい商店 音羽町店』週刊現代
・『なんでもあります(笑)いしい商店 紀尾井町店』週刊文春
・『なんでもあります(笑)いしい商店 神楽坂店』Weekly漫画アクション(←今はこれだけ継続中)
 (笑)は(株)のパロディだと思うが、どうせ内容は書き分けてないし、という作者のそこはかとない自嘲が(笑)に感じられた。