日常 (4/1 - 4/15)

4/1 (土) 晴
 朝 8:03 の電車で Blois へ。夕方まで合計9時間ほど同僚Mと実験(今週2回目)。休日に他人に時間を取ってもらって共に実験するのはフランスに来てからは初めてかな。今日で主立ったデータを得られると期待していたのだが、コンタクトの問題とノイズの問題で大幅に時間を取られ、先が見えないまま終了。今回は身も心もヘトヘトだ。来週木曜日にもう一度行うので、それまでに打開策を考えなければならない。Tours に戻り、職場に寄って装置類を置いて、Monoprix で少し買物して帰宅。
 "La Prophétie des grenouilles" (J.-R. ジレール監督、2003) の DVD を久々に観る。改めて、コドモ向けアニメの教科書のような作品。本作と次作 "Mia et le Migou" にはともに主人公が髪を切られるシーンがあり、どういう監督の思惑が?と気になっていたが、いかにもアニメ主人公然とした髪をなびかせる外見重視キャラから脱却して内面を見てもらいますというメッセージなのかな。悪役のカメが今の日本の首相に重なって見えてしかたがない。

4/2 (日) 晴、7〜18℃
 昼まで寝る。部屋の掃除と日本との通話以外何もせず。外出もせず。

4/3 (月) 晴、5〜21℃
 木曜の実験のための簡単なアンプボックス工作(途中)。夕方、製膜しようと KKS に赴くも他の予約が入っており、できず。職場に戻って工作の続き。
 1月に提出したプロジェクトのレポートに審査員からダメ出しをされた旨通知された。やってしまった。失敗を招いたいくつかの要素があるが最大の理由は自分の怠慢であることは否定しようがない。

4/4 (火) 曇、7〜17℃
 アンプボックス工作続き。夕食は Liberté のケバブ屋で取って、職場に戻って試料の端子付けを。

4/5 (水) 晴/曇、7〜17℃
 試料の端子付け&測定テスト。午後、同僚Dと大学病院内の SEM 装置(初)で試料観察。ここは有料だが、専任のオペレーターがいて要望に応じた観測をしてくれる。建物も新しく綺麗。終了後 KKS に移動してプチ製膜。夕食し、職場に戻り、測定テスト続き。ギリギリまであーでもないこーでもないとバタバタする。急なことでボックス工作〜試料端子を手持ちの乏しい電子パーツで間に合わせたが、物が無いって辛いなあと珍しく感じた。

4/6 (木) 快晴、4〜15℃
 キャリアに測定用機器道具一式を積んで、三たび Blois へ。旅行代理店を通して発注した電子切符のコード番号を駅の券売機で間違って入力したため切符を受け取れず、しかたなく自腹で買って乗車する。たまたま車内で所長と一緒になったので事情を話すと、別のコード番号だと指摘され、乗換駅で試してみたらちゃんと出てきた。ずっと前にも同じような失敗をした気がするがパニクってまたやってしまった。だって似たような6桁の英数字が2種類書いてあるんだもん。Blois 駅で払い戻し手続きをしてもらう。所長に手間をかけさせてしまった。
 本日も同僚Mと実験。またあーでもないこーでもないと試行錯誤し、帰る間際にようやくもっともらしいデータが取れた。ただし以前の実験とあまり似ていない特性だったので、悩ましい。Tours に戻って職場に荷物を置き、久々に普通の時間帯に帰宅。疲れた。

4/7 (金) 快晴、4〜15℃
 昨日のデータ整理。新たな共同研究のために試料を選んで梱包。次の実験のためにノイズを抑制した測定配置の模索。ロガーで、特定のサンプリング時間とフィルタ点数を選ぶと劇的にノイズが小さくなることがわかった。理由は不明。夕食はパスタ屋。

4/8 (土) 快晴、5〜23℃、ポカポカ陽気
 郵便局で試料を発送。図書館で本を返し、借りる。Petite Arche で買物。夕食は冷蔵庫整理のために野菜炒め。久々にちゃんと自炊した。
 原作本を読んだ機会に、アニメ映画 "Ma maman est en Amérique, elle a rencontré Buffalo Bill" の DVD を再視聴。ビー玉やエピローグの旅行など、原作に比べて膨らませたエピソードが多い。パパの声(と ED の歌)をマルク・ラヴォワーヌが演っていたのに今気付いた。

4/9 (日) 快晴、5〜27℃、夏だ!
 午後から職場へ。ノイズ軽減方法の模索。いろいろ判明。
 行方不明だった iPod が自室のデスクの書類の山の中から見つかった。失くしたと思ったとはいえ、今まであまり真面目に探していなかったのだ。心のどこかに新しい機種を買いたい思いがあったのだと思う。ともあれ、久しぶりに仏語講座の音声聴き取りを始めた。

4/10 (月) 晴、8〜19℃
 同僚Dと久々にスプレー製膜。あまりうまくいかず。
 午後、明日のミーティングに備えてリーダーと打ち合わせ。少し前向きになれた。それに基づきパワポ資料を作成。

4/11 (火) 晴、4〜17℃
 KKS にてプロジェクトEの内部ミーティング。初めて責任者と電話で会話した。適切で達成可能な示唆をもらい、ぐっと前向きになれた。職場に移動して論文Cの直し。試料熱処理1回。
 職場へ向かう車の中でリーダーと将来の計画について会話する。僕がポロッと「自分が 60 歳になっても製膜をしているとは想像できない」と漏らしたら、リーダーが「僕はするよ」と応えたのでちょっとハッとした。元々は自分も、一生手を動かすタイプの研究者でありたいと願っていたのではなかったか。近年は自分のかわりに若い者が実験してくれる楽ちんさを味わってしまい、つい現場に関心がないかのような台詞を吐いてしまった。いや、現場に関心はある、新しいことをしている限り。最低限、他の誰もしないネタを発案して芽を出させるという取り組みができる間は現場で研究を続ける。脳と身体がそれを許さなくなった時が退く時。

4/12 (水) 快晴、3〜21℃
 熱処理した試料を同僚Dとラマン観察。良い良い。
 ノイズ軽減方法の模索。一応結論は出た。
 1ヶ月前に交換した製膜部屋の窒素ガスボンベが、早くも空になっているのを発見。明らかに、以前エアガンの元バルブを締めるのを忘れた自分の失敗だ。しかしガンにこれほどリークがあるとは知らなかった。
 早めに退勤して、市内のパーツ屋にパーツを買いに赴く。

4/13 (木) 快晴、5〜20℃
 論文Cの改稿。98% できた。薄膜試料の処理。夕方から KKS に赴いてプチ製膜、および XRD 終夜測定開始。夕食して職場に戻り、膜の熱処理。
 今日あたりから来週にかけて、イースター休暇とかで人が少なくなる。発注した窒素ガスボンベが届く時に受け取れるかどうかで問題になった。間の悪い時に空ボンベを見つけてしまった。そもそも1ヶ月も残量を確認しなかったことが問題だった。

4/14 (金) 晴
 KKS で試料外し、職場へ。論文Cについて共著者からの示唆をいただき、未解決問題について考へる。夕方再び KKS に赴いてプチ製膜。
 久々に査読依頼が来た。受けた。

4/15 (土) 曇、7〜15℃
 2011 年の仏語講座の聴き取り(途中)。午後、Petite Arche に買い出し。3連休の初日はこんな感じで。