参院選5日前

 投開票日を目前にして、普段から心に溜まっているアベ首相やアベ政治への不満を一気に書き連ねたい気もするけれども、感情的な言葉は違う立場の人には届かないだろうから、なるべく淡々と思いを記す。

改憲

 こんどの選挙の大きな争点は改憲の是非だと言ってよい。僕は何が何でも改憲ダメ、とまでは思わない。是非の判断は、もちろん内容による。
 自民党の改憲草案は、国民主権と平和主義を疎かにし、緊急時には総理大臣に絶対的な権限を与えるという、ナチスドイツのワイマール憲法そっくりな代物。草案を下書きしたのが日本会議の人間だということも明らかになっている。日本会議周辺に牛耳られているアベ政権というわかりやすい構図がここにも。


 自・公は「まだ内容に合意ができていない。これから与野党で話し合って内容を決めなければならない」「だから改憲は今回の選挙の争点にならない」と言い張る。けれども、衆参両議院で圧倒的多数を確保できたなら、話し合いなどすっ飛ばして草案をそのままで通そうとするであろうことは火を見るより明らか。アベ政権が、違う意見に耳を傾けずに数の力でゴリ押しする政権だということを、安保法案のときに我々は見て知っている。
 その圧倒的多数のラインが3分の2だ。このラインが達成されるかどうかは、人によって予測が分かれている。本当にちょっとした情勢の違いで、どちらへ転ぶかギリギリまでわからない。英国の EU 離脱国民投票のように予断を許さない状況だ。


 最近ネットで出回っている、1988 年に創価学会婦人部平和委員会が編纂した漫画の1ページ(出典:http://seoul-life.blog.jp/archives/62149212.html)。こんなふうにアレヨアレヨと改憲が為されるのも非現実的な話ではなくなってきた。公明党はこの漫画をどう御覧になるだろうか。

組織票と棄権票


 安倍政権を支えている力は積極的な安倍支持者よりも、むしろ組織票と棄権者だね。

 年々、投票率が下がり、棄権が増えている。世論調査で支持政党なし・わからないと答える人が断トツで多いこととリンクしている。全体として国民に元気が無くなっている。一番大きな原因はやはり東日本大震災原発事故だと僕は思う。今後の日本がどういう道に進めば良いのかわからず、途方に暮れている、いわば鬱状態
 元気がなく弱っていると、人体は病原菌や癌細胞に付け入られる。通常の状況なら世間から相手にもされないようなカルト宗教団体が、政権を牛耳るまでに強大な力を持ってしまったのも、国民が弱っているところに付け入られたからだ。

 組織票というものが何故あんなに力を持つのか、理解できない。「□△候補に投票して下さい」と知人から頼まれたとしても、無記名投票なのだから密かに他の候補に入れたって問題は生じないんじゃないの…などと思う自分は人情のわからない輩なのだろうか。
 国会議員も党議拘束とやらで自由が無い。昔は党の方針に賛成できないと離党する議員が珍しくなかったから、昨年の安保の時もそんな離反議員が出る事を期待していたのだが、ついに1人も出なかった。党員はみなロボットだ(もちろん党議拘束は与党だけの話ではない)。しがらみに縛られて自分の意見を言えない状況に置かれたら、僕だったら我慢できないと思う。

 反アベ派は仲間同士で固まるだけでなく、身の回りの意見を異にする人(安倍支持者)と語り合うのがとても重要だけれども、これを自分側の1票に結びつけるのは改宗させるのと同じでえらい時間とエネルギーが必要になる。事ここに至っては、むしろ身の回りの棄権予定者に狙いを定め「ご飯でも食べに行こうよ」などと誘って投票所まで連れて行くのが、草の根運動としては効果的かと。
 投票率 70% なら、どんな結果でも国民の総意として甘んじて受け止めよう。投票率 50% で改憲派が3分の2を超えたら、後悔する事になるぞ。