安倍首相戦後 70 年談話

 談話の文章のみに対する中立な立場での感想。

 「長過ぎる」「主語が曖昧」「自分自身の謝罪をしていない」等の世間の反応はごもっともだが、1つポジティヴな点を挙げれば、村山・小泉談話がいずれも敗戦から始まっていたのに対し、安倍談話では戦争の起こった経緯から語り始めた点には意味があると思った。ただし「西洋諸国を中心とした国々の」植民地支配の波、「欧米諸国が、 植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進め」たことによる日本経済への打撃と、やはり問題の発端を他者のせいにしているところが鼻についてしまう。
 そのブロック経済への反省から「いかなる国の恣意にも左右されない、自由で、公正で、開かれた国際経済システムを発展させ」という下りは TPP 推進の意志表明に見える。財界へのリップサービスか。とにかく各方面に良い顔をしようという思惑が第一で、過去の回顧は単にその道具として使われた感じだな。

 安倍氏の普段の言動と比べて「お前がそれを言うか」と感じた箇所も一応メモしておこう。
 「政治は歴史に謙虚でなければなりません。政治的、外交的な意図によって歴史がゆがめられるようなことは決してあってはならない、このことも私の強い信念であります」教科書やメディアに圧力を加えているのは?
 「我が国は、いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきである。この原則を、これからも堅く守り、世界の国々にも働きかけてまいります」ではなぜ武器を輸出するのでしょうか。