論文が公開されました [VO2 on various substrates]

Impact of thermal expansion of substrates on phase transition temperature of VO2 films
J. Appl. Phys. 116, 123510 (2014)

 今年初の筆頭論文。半年ほど製膜がほとんどできなかった期間があり、その間にも成果を出すには…と考えた結果、他グループに製膜を、同僚に測定をお願いして助けてもらった。自分の手作業量は過去最小かも。
 じつは最初にこの原稿を投稿した別雑誌の査読者に「このテーマは既に先行研究例がある」と指摘されて青くなった。僕はこういう「新しいアイデアだと思って実験したあとに、とうの昔に誰かがやっていたことを知る」ケースが多い。思いついた時に文献リサーチをもっと周到にせねば。結局、先行研究を紹介しつつ、それらに欠けていた点を補完した点が新規だという立場を採った。なんとか出版にこぎつけてホッとしている(3グループの共同研究だったので成果にできなかったらまずかった)。

 内容は、基板の熱膨張率が VO2 薄膜の転移温度を左右します、という話。たまたま時を同じくして9月の札幌の応物学会でもこのネタを話した。熱心な質問や討論を客席からいただけて充実した時間となった。
 オンライン公開後 30 日間(10 月 24 日まで)は誰でも読めるらしいです。JAP も一生懸命だなあ。