微力

なんにもない なんにもない ぼくたちにはなんにもない
はだかなのさ はだかなのさ うまれたときからはだかなのさ
だからはたらくのさ みんなでいきていくために
だからはたらくのさ いっしょにいきていくために
きみと ぼくの ために

…という『ネコジャラ市の11人』(1970-73, NHK)の挿入歌が脳裏に蘇って来た。どういう場面で歌われたのかは覚えていない。何か深刻な打撃を被った後に市民たちが前向きに頑張ろうと決意する場面だったと思うので、火山爆発で町が壊滅した時かもしれない。検索しても歌詞情報が見当たらず、記憶に頼って書く。間違いがあったら御免。

 原発事故がなおも予断を許さない状況だ。新たに浮上した2号機のトラブル、ポンプの燃料が切れたり圧力開放弁が2個とも開かなくなったり水をいくら注いでも水位が上がらなかったり、悪夢のような不具合の連続。今はただ現場での死闘が功を奏するのを祈るばかり。
 当地の同僚たちも日本を心配してくれている。共同研究先ではラボのリーダーがたまたま日本滞在中で、連絡がつかないという話も聞いた。東北の海沿いに家のある知り合いの人々はみんな無事だろうか。
 被災地から遠く離れた人間には現地に行って瓦礫を片付けることもできないけれど、それぞれができることをやるしかない。僕はまず目の前の仕事を一生懸命やることにする。